20年、30年後の健康を・・・医学博士 内山明好管理栄養士 鶴田真子によるアンチエイジング・ダイエット・メタボ対策を掲載した健康情報サイトメタボヘルプ.com。

抗ガン剤講座 ~抗ガン剤について知って欲しいこと~

抗ガン剤とは、不幸にしてガンになってしまった方に使われるクスリのことです。
最近ではガンも生活習慣に関係して発病するといわれるようになってきていますので、
本サイトをご活用いただき、しっかり健康管理をしている読者の皆様にはあまり関係ないかもしれません。

しかし、最近の医療現場では「あなたはガンです」とはっきりお話しされるようになり、
その治療法も抗ガン剤もいろいろな種類があって、『説明を受けても分からない』と思われる方が
大半ではないかと思いますし、ドクターも、患者さんの選択が最優先ということで、
あまり「こうしましょう」と強い意見を言わなくなっています。
そうすると、自ずと患者さん自身で調べて治療法を選ぶ必要性が出てきているということです。

そこで、そもそも抗ガン剤と呼ばれているクスリはどんなものなのか、
血圧や糖尿病のクスリとどう違うのかといった総括的なお話したいと思います。
抗ガン剤の話しに行く前に、まずクスリとはなんぞやというお話からスタートしましょう。

◆クスリとは
人体の細胞の数は?
代謝のしくみ
クスリのはたらき
クスリで治療するということ
細菌を殺すクスリ:抗生剤
生活習慣病のクスリ

◆抗ガン剤とは?
抗ガン剤とガン細胞
病原菌とガン細胞の違い
ガン細胞をやっつけるために
新しい抗ガン剤:評価の基準
新しい抗ガン剤:正常な細胞には影響したくない
新しい抗ガン剤:ガン細胞だけをやっつける
新しい抗ガン剤:ガン細胞特有の代謝
新しい抗ガン剤:分子標的薬
新しい抗ガン剤:従来の抗ガン剤との併用
新しい抗ガン剤:どの組み合わせが良いか
抗ガン剤の開発

抗ガン剤講座 ~抗ガン剤について知って欲しいこと~

人体の細胞の数は?

さて、人体は60兆個の細胞からできているといわれています。
どうやって数えたの?と不思議に思われるかもしれませんが、
体の体積と細胞の体積から近似的に出した数字です。


人体の細胞の数は?

代謝のしくみ

この細胞はひとつひとつの中で、化学反応を起こして活動しているわけですが、
この化学反応が細胞の中で鎖のように次々とつながって起こり、
また細胞の集団としてもこういった化学反応を連続して起こしていくことを代謝といいます。

代謝のしくみ

クスリのはたらき

クスリはこの代謝に影響を与える物質のひとつです。
この細胞や細胞集団の代謝に影響を与える物質の中で、非常に強力に代謝を止めてしまい、
細胞を殺して体全体に対して悪い影響を与えるものを毒物ともいいます。
したがって極端な言い方をすると毒物の中で「作用が多少マイルドなもの」が
クスリであるということもできるわけです。
ちなみに添付文書といって医療用の医薬品には必ず付いている文書を見ていただくとわかりますが、
多くの医薬品は「毒劇薬」という分類です。
よく「クスリはリスク」というのはその辺からも来ています。

クスリのはたらき

クスリで治療するということ

クスリによる治療というのはどんなものでも程度の差こそあれ、
「毒を以て毒を制す」ということが基本であることは十分認識しておく必要があります。
それは風邪を引いたときに飲むクスリでも、胃がもたれているときに飲むクスリでもいっしょです。

クスリで治療するということ

細菌を殺すクスリ:抗生剤

クスリは細胞の代謝にいろいろな影響を与えますが、正常の細胞にはなくて、
病気の元になる細胞にだけ存在する代謝があったとすると、それを見つけ出して、
その代謝をストップする成分を見つければよいクスリになるわけです。

例えば、ケガをして傷が化膿したとき、お医者さんに行くと抗生剤というクスリを処方されますが、
これは傷を化膿させる細菌(病原菌といいます)を殺すクスリです。
この抗生剤というのは、ヒトの細胞と細菌の細胞で代謝が非常に異なっているところに作用して、
この病原菌に特徴的な代謝を止めてしまう成分です。
病原菌は少なければ少ないほどよいので、代謝をきちんと止めてしまえる成分がよりよいわけです。
もちろんクスリは飲んだり注射したりして使うわけですから、クスリを開発するときには病原菌に
特徴的な代謝をストップするだけでなく、飲んだとき、注射したときに効率的に化膿した場所に
その成分が十分行くような物質を見つけるところからスタートしますので、
開発は思うほどには簡単ではありません。


細菌を殺すクスリ:抗生剤

生活習慣病のクスリ

ウイルスや細菌など外部から入ってきたことが明かなものは、完全に殺してしまっても
何も問題ありませんが、異質な細胞を殺してしまえばすべての病気が治るということではありません。
病気というのは体のある一部の細胞が、暴走したり機能が弱まったりして起こるものもありますので、
そういった病気では、そのおかしくなった細胞の機能を抑えたり、元気づけたりする成分が
クスリとして使われます。
特に生活習慣病に使われるクスリ、すなわち血圧を下げるクスリ、コレステロールを下げる
クスリなどはその典型です。
しかし病気でおかしくなったとはいえ、一応機能はしている細胞ですので、
それらを殺してしまうわけにはいきません。
このようなクスリの開発では、うまくそれらの細胞の代謝を調整し直しが出来るような成分を
見つける必要があるわけです。

生活習慣病のクスリ

抗ガン剤とガン細胞

抗ガン剤はガンの治療に使われるクスリですが、この性質はどちらかというと、
抗生剤に近い性質を持っています。
ガン細胞というのは、元は正常細胞ですが、それが変化して暴走するようになってしまったものです。
ガンには悪性新生物という言い方もありますが、それは大元の細胞とは形、性格、代謝等が異なり、
たちの悪い違った生物が体内にできてしまったようなもの、という意味です。
そのため、その違いを見つけて細胞機能をストップさせる成分があれば、有効な抗ガン剤となるわけです。

抗ガン剤とガン細胞

病原菌とガン細胞の違い

病原菌のようにまったく由来が違う細胞でしたら代謝の違いは大きいので、
有効な成分も見つけやすいのですが、ガン細胞は出身が正常のヒトの細胞で、
細胞の生存に係わる基本的な機能は一緒ですので、ガン細胞だけを選んで殺してしまうような
成分を見つけることは大変難しいわけです。
例えば、病原菌とヒトの正常細胞では猫とネズミくらいの違いがありますが、
ガン細胞とヒトの正常細胞ではミケネコとトラネコくらいの差しかないということです。

病原菌とガン細胞の違い

ガン細胞をやっつけるために

ガン細胞は異常なほどの再生能力を身につけた細胞ですので、
完全に殺してしまわないとまた増えてきます。
ところが細胞を殺すためには、生存に必要な基本的代謝をストップさせる必要があり、
この部分は正常の細胞と共通しているので、ガン細胞だけをより分けて殺すことが難しいのです。

初期の抗ガン剤は正常の細胞にも与える影響が大きいものばかりで、一応ガン細胞は殺せるけれど
正常細胞も少なからず殺してしまう、つまり副作用が強いものがほとんどでした。
この点やよく世間でも思われている「抗ガン剤は副作用ばかり強くて効かない」という印象の根拠です。

ガン細胞をやっつけるために

新しい抗ガン剤:評価の基準

最近では「分子標的薬」という新しいカテゴリーの抗ガン剤が出てきました。
これは後ほど説明するとして、まず抗ガン剤が効いているかどうか、
本当に患者さんのためになっているかどうかという評価方法についてお話しします。

かつてガン細胞は完全に殺してしまわない限り、治療は完了しないと思われていたため、
評価の基準は体内にあるガンの塊が小さくなったかどうか、が効果の中心的な基準でした。

新しい抗ガン剤:評価の基準

新しい抗ガン剤:正常な細胞には影響したくない

しかしよく考えると、ガンが悪さをするのは発生した臓器や転移した先の臓器で勝手に増えてしまい、
本来その臓器がもっている機能を損なうのが問題なのですから、全部ガン細胞が死ななくても、
大きくなりさえしなければよいわけです。たとえばお年寄りのガンなどはこの典型です。
年を取ると体の中ではガンの一つや二つは自然にできてきます。
しかしできてもそれほど細胞が増える能力(増殖能力)は高くなく、じっとおとなしくしている
ケースも多いのです。
こうなると無理矢理手術で取り除いて、その臓器がもっている機能を損なったり、
抗ガン剤を使って返って正常の細胞を痛めつけてしまったりというようなことは避けた方が
結果的に長生き出来る場合もあるのです。


新しい抗ガン剤:正常な細胞には影響したくない

新しい抗ガン剤:ガン細胞だけをやっつける

そんなところから、最近ではガン細胞の、この極端に増え続ける性質、
あるいは転移するという性質だけを押さえ込むクスリが出てきました。
こうなりますと従来の、抗ガン剤が有効かどうかの基準であった、「ガンが小さくなる」というのは
実情に合わなくなってきたわけです。
そこでこのような新時代の抗ガン剤の性質に合わせて新しい評価の基準もできてきました。
それは再発、再増殖してくるまでの期間がすでに使われている抗ガン剤より長くなったかどうか、
あるいはガンの患者さんが亡くなるまでの期間がその抗ガン剤を使うことによって長くなったのかどうか、
といった新しい基準が抗ガン剤の評価基準となってきたのです。

新しい抗ガン剤:ガン細胞だけをやっつける

新しい抗ガン剤:ガン細胞特有の代謝

最初に解説した通り、クスリとは体の中で起こっている化学反応すなわち代謝に
影響を与える成分ですが、正常な細胞とは異なり、ガン細胞に特有の代謝があることが
わかってきました。
この特殊な代謝のために、異常に増え続けたり、体のあちこちに転移して増えたり、
体に悪い成分を作り出したり、というガン細胞に特徴的な性質が作り出されています。

この特殊な代謝を止めることができれば、ガン細胞はおとなしくなるはずです。このガン細胞に
特徴的な代謝のいくつかは、ある特定の分子の活動を邪魔するとそのような代謝が変化することが
わかってきました。

新しい抗ガン剤:ガン細胞特有の代謝

新しい抗ガン剤:分子標的薬

そこでできたのが分子標的薬です。
これは読んで字のごとく、ガン細胞に特徴的な性質を形作っている分子の働きを止めることを目的に
作られたクスリです。これには従来のクスリのような化学物質のこともありますし、
アミノ酸がいくつかつながったペプチドという形のもの、免疫反応で活躍する抗体の形を取るものと
いろいろな種類が出てきています。また内服薬もあれば注射薬もあります。

新しい抗ガン剤:分子標的薬

新しい抗ガン剤:従来の抗ガン剤との併用

ただしこれらの分子標的薬だけではガン細胞を殺す力は弱いため、
従来から使われている細胞を殺せる抗ガン剤といっしょに組み合わせて使うことが多いのです。
単独ですべてのガンが解決するというのはまだ夢の世界で、現実にはいくつかの抗ガン剤を
組み合わせて使うというのが実情です。
もちろんガンの種類によって組み合わせ方が異なります。

新しい抗ガン剤:従来の抗ガン剤との併用

新しい抗ガン剤:どの組み合わせが良いか

どの様な組み合わせがよいかは、ガンの患者さんがボランティアとして参加する臨床試験で、
先に述べたガンが小さくなるという評価、再発、増殖までの期間が長くなるという評価、
患者さんが亡くなるまでの期間が延びるという評価、こういった評価基準を使って臨床試験で試され、
そういった情報が実際の医療現場に提供されます。

新しい抗ガン剤:どの組み合わせが良いか

抗ガン剤の開発


抗ガン剤の開発にはこのように多くのガン患者さんのボランティア活動の上に成り立っています。
抗ガン剤の開発は一足飛びには進みませんが、早く多くのガン患者さんが満足出来る
抗ガン剤ができることを望んでやみません。

抗ガン剤の開発

ダイエットや特定検診、健康、病気についての疑問・質問にDr.内山がお答えします

ドクター内山こと内山明好(うちやま あきよし)
Dr.内山(内山 明好)

浜松医科大学医学部卒業。医学博士。
同大学整形外科学入局、ハーバード大学骨疾患研究所留学。
その後エーザイ株式会社、グラスソ・スミスクライン株式会社にて薬事、薬剤安全性臨床開発等の部門長、 担当役員を歴任後、株式会社アーテイジ代表取締役社長及び、アーテイジ栄養代謝研究所の所長として健康増進事業に取り組む。現在、医療法人社団宗友会パークサイド広尾レディスクリニック理事長。

ドクター内山ブログはこちら
【遺伝子検査・肥満・ダイエット外来】アーテイジ栄養代謝研究所

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