先日、ある方とお話ししていて病気の話になり、質問をしてみました。
(内山) 「ところで、健康のために何かしていますか?」
(お相手) 「いえ、特に何もしていません」
(内山) 「それでは、病気になったらどうしようとか心配になりませんか?」
(お相手) 「別に、心配してもしょうがないし」
(内山) 「それでは健康診断とか受けていますか?」
(お相手) 「いえ、受けていません」
(内山) 「なぜ受けないのですか?」
(お相手) 「なぜって、病気が見つかったらいやじゃないですか」
(内山) 「なぜいやなんですか?」
(お相手) 「だって、あれをしてはダメ、これをしなくてはいけない、といろいろ生活が
制限されるでしょう。それがいやなんです」
(内山) 「でも病気がひどくなっていたらもっと大変ですよ」
(お相手) 「そうしたら病院に行って薬でももらいます」
(内山) 「薬を飲めば治ると?病院に行けばお医者さんが何とかしてくれると?」
(お相手) 「ええ?そうじゃないんですか。だって病院って病気を治してくれるところでしょう?」
さてこの会話を見て、思い当たる節はありませんか。
残念ながらまだ多くの方がこんな考え方をするようです。
ポイントをまとめますと
1. 自分が病気なるなどとは考えたくない
2. 病気を見つけられるのがいやだ
3. 多少の異常でも見つかったら自分の思うような生活ができなくなる
4. 病気になったとしても症状が出るからわかる
5. そしたら病院に行って薬を飲めば病気が治る
こんなところでしょうか。
確かに何も考えず、勝手気ままに生活していても病気にならない人も中にはいます。
しかしこんな人はごくまれです。たとえていうなら、往来の激しい道路を、
目をつぶって赤信号を無視して渡るのと同じことです。
中には車にひかれずに渡れる人もいるでしょうが、ほとんどの人が車にぶつかるでしょう。
どんなに気をつけていてもほとんど必ずといっていいほど何らかの病気にはなります。
いや病気にならないまでも転んだり交通事故にあったりで怪我をするかもしれません。
確かにこれは気にすればきりがないのかもしれませんが、
常に病気になる危険性を考えて手を打っておくことが重要です。
健康診断で異常が見つかるのはいやなものです。でも早く見つかれば元に戻れるのです。
「動脈硬化」、「糖尿病」といった生活習慣病など特にそうです。
こういった生活習慣病は早めに生活習慣を改善すれば、薬とは縁が切れますが、
一端進行してしまうと薬無しでは生きられなくなります。ガンもまたしかりです。
早く見つかれば内視鏡などで簡単に処理することができるようになりました。
ところが進行すると大きな手術が必要になりますし、転移を常に心配しなくてはいけなくなります。
一番大きな誤解はいざというとき、病院に行けば病気を治してもらえると思っていることです。
病気を治すのはあくまでも自分自身なのです。
病院はどこが異常なのかを見つけてくれて、どうすればよいかを教えてくれますが、
病気を治してくれるわけではありません。
またいろいろな医薬品が世に出ていますが、薬を開発してきた身にとっては、
薬を飲めば病気が治ると思われると困るのです。
慢性に進行する病気の場合(生活習慣病など)、ある程度病気が進行して、
すなわち薬を飲まなければいけないくらい病気が進行している場合、
薬を飲んでも治ることはありません。確かに薬が反応すれば、全体としての調和は取れ、
ある程度の苦痛はとれます。でも病気を治してくれている訳ではありません。
それ以上悪くなるのをもしかしたら止めることはできているかもしれません。
現在の薬でやれることはせいぜいそんなところが精一杯です。
病気にならない秘訣は「病気になりたくない」と思うことなのです。
病気になりたくないと思えば、それに備えて何ができるかを考えるようになりますから。
今年はほんとうに暑い日が続いております。
熱中症で病院に運ばれる人もかなりの数に上っているとか。
特にお年寄りが部屋の中で倒れるケースがかなり多いようです。
さて熱中症といえば、その対策としては水分補給ですが、水分補給には水が一番です。
汗がでてナトリウムなどの電解質が失われるためスポーツ飲料がよい、とよくいわれますが、
汗をかきすぎてナトリウムや他の電解質が失われて倒れるケースは少ないのです。
それよりは汗があまりでなくて熱が体にこもって熱中症という方が多いのです。
ですからわざわざスポーツ飲料でなくても、ミネラルウォーターや水道水で十分なのです。
どうしても塩分補給したいという方は、お塩をひとつまみでも梅干しでもよいでしょう。
もちろん屋外でスポーツをする、作業をする、ということで汗を大量にかく場合は
スポーツ飲料もよいかもしれません。
さて水分補給なら何でもよいかとお茶の飲料やコーヒー飲料などで水分補給をする人もいます。
確かにどうせ水分補給ならおいしいほうが、と考えるのも無理からぬこと。ところがこれらの飲料の中にはカフェインが含まれています。カフェインは利尿作用といって、おしっこを余計に出す作用がありますので、かえって体から水分が出てしまいます。
また炭酸飲料などは、注意すべきはその糖分です。
けっこう糖質が含まれている製品が多いので、暑いからと大量に炭酸飲料を飲んでいますと、カロリー摂取過多になり、
肥満の原因となります。またスポーツ飲料も同様に糖分の取りすぎには要注意です。
様々な飲料が販売されていますが、ボトルにある表示をよく確認してから飲むようにしましょうね。
先週埼玉県のある地域の基幹病院で市民公開講座を企画していただき、
サプリメントについてのお話しをさせていただきました。
50名ほどの、その病院に通っておられる患者さんやそのご家族、
一般市民の方が参加して熱心に聞いていただき大変感謝しております。
お医者さんの中にはサプリメントについて頭から否定する人も多いのですが、
その病院の理事長先生や院長先生を始め、スタッフの皆様にはサプリメントについて
ご理解をいただきこのような講演となりました。
その講演のときに質問をし、答えに挙手うぃしていただくと、病院の職員を含めて3分2くらいの人が
何らかのサプリメントを使ったことがあるということでした。
そうなりますと、むしろお医者さんが否定したところで、患者さんは何かを求めて使うわけですし、
使う限りは内容をよく理解して安全に使っていただきたいものだと思います。
しかし講演をまとめていて思ったことは、ほんとうに使い方が難しいということです。
サプリメントは食品に分類されますが、食品中に含まれる栄養成分、健康に役立つ機能成分を抜き出して、
錠剤、カプセル、ゼリー、飲料などの形にしたものですので、大なり小なりの効果は出てきます。
ただ反応には個人差が大きく効き方も一定していないという点がまず問題です。
本来であれば、一部の栄養が欠落していてそれを補う意味で使われるのが自然でしょうが、
どんな症状のときにどんな栄養素が欠落しているのか、と聞かれましてもよほどのひどい欠落でない限り
明確な症状は出ません。
ですから簡単な目安としているのは、たとえば健康診断などでちょっと検査の数値が悪くてお医者さんに
かかったら、まだ薬で治療するほどではないよ、生活や食事に気をつけてといわれた場合に、
その悪かった検査項目に合わせて食事で気をつけるのと同時に、該当する領域のサプリメントを使うのが
無難だと思います。
特定保健用食品(いわゆるトクホ)では、効果を示唆する文言を使ってもよいことになっていますから、
これをヒントに使ってみるのがよいと思います。
ただしこのトクホで使っている文言は医薬品で言う効能・効果とは異なりますので、
使う目安くらいに考えていただいた方がよいでしょう。
アーテイジ虎ノ門クリニックではより健康になりたい、10年後も20年後も元気でいたいという方のための支援を
しています。健康リスクの診断や食事、栄養指導、肥満カウンセリングなどを行っていますが、
ご希望によりサプリメントの指導も合わせて行います。
ご興味のある方はお気軽にご相談下さい。
健康管理の第一は管理しないこと?
ある週刊誌の特集で、今度は85歳以上までぴんぴんしている人たちの生活や意識を特集していました。
これらの人たちに共通しているのは一時期までタバコを吸ったり、大酒を飲んだりしていたが、
皆様々なきっかけでその後はそういった悪習慣を止めています。
ただ健康管理の秘訣は?と聞かれると、そろって特に何もしていないと答えていたのが興味深いです。
特に健康のために何々をしていますという意識はないのです。
多くの人たちが、自然体が一番と答えていて、「食事も何かを制限しなくてはいけない、と考えると
ストレスがたまるし、それは良くないよね」、と答えていた人などは肉をほとんど食べないようです。
ほとんどが魚と野菜の食事。かといって肉を断固として食べないと思っているわけではなく、
ここに健康管理の秘訣があるように思う。
アーテイジの推奨する健康管理は管理しないことを基本にしています。
この点は冒頭の週刊誌に登場した人たちに共通しています。
なにやら禅門答めいているが、管理しようという意識が働くと、自分の行動に自ら制限を加え、
それが知らず知らずにストレッサーとなります。
そうではなく、正しい知識を身につけて、何らかの選択の際に、正しい選択をしていけば
「管理する」という自らの行動に制限を加えているという意識がないままに、
自然と健康になる道を歩むことができるというわけです。
冒頭の特集に登場した人たちが言っていた、自然体ということなのです。
しかし多くの人はここで失敗をします。
なにやら体調を崩して、一端回復したら今度は健康になるためには、あれとあれを止めて、
これを始めなくてはいけない、と考えてしまうまらです。
つまり健康は管理しなくてはいけないと考えてしまうことで、これでは自分の首を絞めているようなものだから
長続きはしないですね。人は食事をするときどんな食材を選ぶか、もっと簡単に言えばお腹が空いたとき
何を食べたいと思うか、そこに理性はほとんど働いてはいないでしょう。
だから食欲に任せて食材を選んでいけば通常は肥満の道をまっしぐらとなります。
ところがしっかりした知識を身につけ、それが習慣となっていれば、
ほぼ毎回正しい(ここでは健康にとって良い)選択ができるようになります。
先日出版された「Q脳ダイエット」本をお読みいただいた方にはわかると思いますが、
Q脳理論風に言えば食欲に任せて食べていると、Q脳の求める食材に手が伸びるだけです。
ここでしっかりQ脳がS脳の認知に基づいて指示が出来れば、自然と健康によい食材を選ぶことが
できるようになるのです。
Q脳を如何にうまく手なずけるか、それはQ脳ダイエットを実践していただくと身につけることができるでしょう。
先日、久しぶりの海外出張でロンドンに行ってきました。
ロンドンはまだ20度くらいで東京の夏日に比べると涼しく感じました。
ホテルはケンジントンガーデンという王室のケンジントン宮のある広大な公園の
すぐ近くのホテルでした。
ホテルの近くに大使館が並んでいる通りがあり、会議の後散策に出かけて
ちょっと撮影してみました。趣があって良いですね。
ところでみなさんは海外に行かれたとき時差ボケは大丈夫ですか。
私はそれほど苦痛になるたちではないのですが、かつては何とか早く現地の時間帯に
合わせようと努力したものです。
着いた当日の夜は飛行機の中で熟眠出来ないためか比較的長く眠れるのですが、
2日目になると12時くらいに寝ても夜中の2時とか3時くらいに目が覚めてしまいます。
何とか眠ろうとするのですが、また1時間くらいすると起きてしまう。
そうこうしているうちに朝になってボーとしている状態で起きあがるという感じでした。
そこで最近考えたのが一度起きたらもう寝ないというものです。
現地の時間に合わせてもどうせ数日で日本に帰り、また帰国してからまた
時差ボケになるのでしたら、現地の時間帯に合わせるのは止めようと言うことです。
仕事ですとどうしても夜の食事会などがありますが、なるべく早く切り上げて、
9時とか10時くらいには寝てしまう。3時まで熟眠出来れば5、6時間は眠れるので
普段もそんなものなのでまあいいかと。
ロンドンですと時差が8時間ですので3時に目が覚めると日本時間の11時です。
ちょっと御寝坊のときくらいの時間帯ですので、それほど大きな狂いはなく過ごせます。
しかも日本ではすでにお仕事真っ最中。メールをつなぐとすぐ返事が返ってくる状態です。
こうすると比較的現地でも楽に過ごせるし、帰国してからも楽ですよ。
皆さんはどんな時差ボケ対策を取っていますか。ぜひ教えてください。
先日のブログにも書きましたが、多くの方は抗ガン剤について
必ずしも正確でない理解をされておられるようです。
また抗ガン剤に限らず、ガンに対しても誤解していることが多々あることがわかりました。
最近ではインフォームドコンセントの普及により、病院ではガン患者さんに対してはっきりと
「あなたはガンです」と告げるようになりました。かつてはガンと診断されると、
本人のいないところでごく近い親族が呼ばれて、「どうやらガンのようです。だいぶ進行しているので
余命は後半年ほどだと思います」などと主治医からいわれ、家族は本人に知られないように、
こそこそしながら日常生活を送り、本人も次第に悪くなっていく病状に、もしかしたらと思いつつ、
半信半疑で日常生活を送り、主治医も嘘の病名でごまかしながら治療を続けるという、
今から考えると信じられないような状況が展開していました。
いまでは明確にどの様なガンであるのか、どの様なステージにあるのか、
どの様な治療手段があるのかきちんと主治医から説明が受けられるようになりました。
しかし主治医からガンの説明を受けても難しすぎてわからない、各治療法にどんな違いがあるのか
これまたわからない、選択肢が多いのはけっこうだが多すぎて選べない、といった状況が
起こっています。
さらに医師の中には患者さんの気持ちもくみ取らず、いいたいことだけさっさと説明して終わったり、
あるいは選択肢を多く説明するのはよいが、優先順位もつけずに説明したり、
インフォームドコンセントでは患者さんが選ばなくてはいけないとばかりに、
すべて患者さん任せにするなどの問題もでています。患者さんも説明を受け理解できなかったら
その場で質問すればよいのですが、どんな聞き方をしたらよいか、何を聞いたらよいかわからない
というのが現実のようです。
ガンも比較的患者数の多い肺ガン、大腸ガン、乳ガンなどは日常生活の習慣が多く関与しており、
食事や喫煙など習慣を見直すことである程度ガンになるリスクを下げられることが
最近の研究で明らかになってきました。
中でもメタボヘルプで取り上げている肥満はガンの発症とも深く関与しています。
いつまでも健康で病気にならない体作りをテーマに情報発信しているメタボヘルプドットコムとしては、
いま死亡原因の第一番であるガンについても、情報発信をしていくべきと考えました。
ガン専門のサイトもいくつかあり、そちらでも詳細な情報は取れるかもしれませんが、
私の専門とする薬剤開発や、薬剤の使い方、副作用、メタボヘルプドットコムの中心テーマである
肥満との関連情報などを中心に提供して参ります。
どうぞご利用下さい。
抗ガン剤講座 ~抗ガン剤について知って欲しいこと~
http://www.metabo-help.com/0009/09_1.html
久しぶりにスポーツジムでのサウナでの会話シリーズです。
今回の登場人物は60歳過ぎの重量挙げ大好きの二人組。
かなりの重量を上げているので、おそらく筋肉は相当ついていると思われますが、
その上に更に厚い脂肪に覆われているため、相撲取り体型。
今回の話題は秋田の玉川温泉。
ここは岩盤浴でも有名な温泉で、ガンに効くということで有名な温泉です。
私の通っているスポーツジムのサウナは、木製のベンチと床ですが、
このお二人の会話によると、玉川温泉ではサウナに小石が敷き詰めてあるらしく、
そちらの方が快適だと話しています。
二人組の一人の知人がどうもお気の毒にどこかのガンのようで、抗ガン剤を飲んでいるらしいのです。
彼曰く、「抗ガン剤は5mgで7万円、こんな高い値段を払っても、副作用ばかりで効くかどうかわからん。
医者が半年の余命といって抗ガン剤を投与すると、みたてどおり半年で死ぬのは、
ガンのせいではなく抗ガン剤のせいではないか」
「玉川温泉に行くとガンの末期の患者が多いが、温泉に来ているということは延命出来ているということだ、
抗ガン剤よりはるかにいい」
「玉川温泉の岩からは微量の放射線がでていてそれで効果があるらしい」という内容のお話しでした。
医療従事者の私にとっては耳の痛い話です。
しかし一般の人たちにとって医療情報というのはこのように伝わっていくのかというのを実感しました。
そこで、このお話についていくつかの誤解を解きたいと思います。
まず抗ガン剤は、確かに値段は高いですが、たぶん1錠あたりでは高いものでも数千円、
入っているクスリの成分量はよいとしても、7万円はたぶん他の治療費も含めての値段では
ないでしょうか(注射剤では1回あたりの薬剤費が10万円を超える高価なものもあります)。
またガンという病気は抗ガン剤を使ったからといって、きれいさっぱり治るものではありません。
残念ながらまだそのようなスーパーな抗ガン剤は開発されていません。
抗ガン剤が国から承認されるためには、臨床試験でガンが小さくなること、
また平均的な余命が既存のものより長くなること、これらを証明出来れば承認されます。
これは平均値での話ですので、もっとよくなる人もいますし、悪くなる人もいるということで、
たまたま知り合いの方が悪くなったりすると、抗ガン剤は効かないという話になってしまうのでしょうが、
なかなか難しいところです。
さて肝心の玉川温泉ですが、これは10年以上前にNHKで紹介されてから、
最後の救いを求めてガンの末期患者さんが殺到するようになったようです。
今でも多くの患者さんが訪れているそうです。
しかし皆がこの温泉で回復するわけではなく、ごく希に回復した患者さんがいると、
玉川温泉には全国から来ているので、たちどころにその話が広がって、
ますます有名になったということが真実のようです。
無理をして玉川温泉に来てはみたものの、症状が悪化してそこで亡くなる人も多いということも聞きます。
私のよく行く理髪店のご主人もそうでした。
ガン関連の著書(「がんばらない」、「あきらめない」等)で有名な鎌田實(かまたみのる)先生が
ガンサポート情報センターというサイトの2004年の記事で詳しく紹介されておられるので、
そちらをご一読下さい(http://www.gsic.jp/support/sp_03/kts/index.html)。
ガンという病気は本当にに色々な面で難しいですね。
それにしてもこれだけ抗ガン剤のことが誤解されているとなると、
もう少しこのブログで解説していかなければと思います。
スウェーデンのNational Food Administration(国立食品庁)が、
EUに対して興味深い提言をしています。
To eat for the environment and for your health(環境と健康のために食べること)と称して、
肉食を減らして魚介類、野菜、果物の摂取を増やすことを提言しています。
肉食、特に牛と羊は育てる過程で環境にかなりのダメージをもたらすことを指摘しています。
スウェーデンでは現在1年間に国民一人あたり65Kgの肉を消費しています。
これはほんの10年前に比べて10Kgも増えているそうです。
1Kgの牛肉を得るために15~25Kgの温室効果ガス(CO2やメタンガス)が発生します。
肉類は鉄分とタンパク質のもとですが、
子供や妊娠中の女性を除いて現状では過剰な鉄分を摂取していることになり、
もっと肉食を減らして、菜食に切り替えることで、
環境にもやさしい食べ方を考えましょう、という提言です。
この提言では牛、ブタ、羊、トリ肉について言及していますが、
特に牛と羊のような反芻動物が環境に与える影響が大きいとしています。
ちなみにブタ、トリからの温室効果ガスは肉1Kgあたりブタで5Kg、
トリで2Kg程度とのことです。
いずれにしても肉好きにとっては頭の痛いところです。
日本人の場合は多くのタンパク源を魚介類に頼ってきました。
ところが終戦後は肉食が一般化して、急速に肉食の比率が高まってきました。
それに比例して肥満も増加しています。
ある統計によると1990年に一人あたり年間約30Kgだったのが、
1995年には40Kgを越えましたその後はほぼ同様の消費量で推移しています。
(もう少し長いスパンで見た別の統計では1962年に肉類の年間総消費量が91万トン、
これが2002年には560万トンと約6倍に伸びています)
ところが摂取総カロリー量は1980年代半ばをピークに低下の一途をたどっています。
にもかかわらず肥満は増加している(特に男性で)ということは、
肉食が肥満と大いに関係していることになるわけです。
ようするに程度の差はあれ、日本でもスウェーデンと同じことがいえるということです。
肉食を全くゼロにする必要は無いと思いますが、
せめて肉を食べるときには環境破壊に思いをはせる必要はあるのかもしれません。
この話を読んでいて、ふと医学部の学生時代に生物学の試験で
「草食動物と肉食動物でどちらが生存に有利か?
エネルギー効率の観点から考察せよ」という問題がありました。
他の問題はすっかり忘れてしまいましたが、なぜかこの問題だけは頭にしっかり残っています。
この試験問題には解答したのですが、その解答が正解だったかどうか、
生物学の教授にはついに聞けず仕舞でした。
ただちゃんとその年の単位は取れたので、たぶん当たらずといえども遠からずの解答だったのでしょう。
みなさん、いかがでしょうか。(私の解答は後日掲載予定ですので、お楽しみに!)
前回も書きましたが、薬剤によっても病気という不平衡を正すことはできます。
ところが使い方を間違えると自然治癒力が作り出す平衡状態とは別の平衡状態を作り出してしまいます。
これが、いわゆる「薬が手放せない」状態です。
もしこの状態でさらに自然治癒力が働いたとすると、また不平衡状態に陥って、
再び病気の様な状態になってしまいます。
ところがこれは真の平衡状態に戻るための過程ですので、
本来であれば薬剤を減らさなくてはならない不平衡なのです。
ところが多くのお医者さんはこれを病気が再び悪くなったと勘違いして薬の量を増やしたり、
種類を増やしたりしてしまうのです。
これではいつまで経っても薬が手放せない状態が続いてしまうことになります。
現実にはどんな病気でどの程度こんな現象が起こっているのか、簡単に判別する方法はありません。
ただ慢性疾患で多くの薬剤を処方されていた方が、
その数を減らしたところ調子がよくなったというのはよく聞く話です。
誤解のないようにお伝えしたいのは、「薬を使うのを止めなさい」といっているわけではありません。
薬によって多くの命が救われ、多くの病気が管理できるようになったのは事実です。
ただ、やみくもに症状の変化に合わせて薬を追加していくやり方はちょっと考え直した方が良いとお伝えしたいのです。
病院などで使われる薬剤(処方薬)は臨床試験のデータを元に国によってその使用が許可されています。
ところが多くの薬剤の承認前臨床試験は単独でその薬剤を使った場合のデータです。
あるいはせいぜい2種類くらいまでの併用です。
それから先の4剤、5剤の併用というのはお医者さんが勝手にやっている処方で、
決して国が承認して保証している使用方法ではないのです。
年を取ってくると、いくつかの病気が重なってきますが、
それらの病気だけを見てしまいますと、たぶんひとつひとつの病気に対しての治療薬として薬の数が増えてきます。
お医者さんは、「病気がたくさんあるのだからそのひとつひとつの病気に合わせて処方してどこが悪い」 と
いうかもしれませんが、対象は一人の人間です。
その体の中でいろいろな薬剤が混じり合って、体の平衡状態がどうなっているのか、
そんな臨床試験のデータはどこにもありません。
そんなことを認識して薬を使っていただいているお医者さんは残念ながらごく少数です。
ではそういうことに気を遣っているお医者さんとそうでないお医者さんの見分け方として、
一番大切なことは、話をよく聞いてくれるお医者さん。
患者さんの体の変化は一律ではありません。その変化は患者さん自身が一番よく分かっています。
しかし患者さん自身は、医学知識が十分あるわけではありませんので、
その変化が何を意味するかわかりません。
でもその変化を言葉で表現することはできますね。
良いお医者さんはそうした患者さんの変化をその言葉の中でしっかり捉えて、治療に役立てます。
ところがそうでないお医者さんは、患者さんの発する症状の変化を一言二言聞いただけで、
あたかも別の病気が起こったように考え、その症状変化に合わせて別の薬剤を処方します。
ですから症状の変化をいうたびに薬剤の種類が3つ、4つと増えていくようであれば要注意です。
そんなときは勇気を出して、なぜ薬が増えたのかを聞いてみましょう。
よく説明してくれるようなら大丈夫!
皆さんが、今かかっておられるお医者さんはいかがでしょうか?
福岡伸一氏の著書「動的平衡」を読みました。
内容は、生物を定義づけているものは何か、それは動的な秩序であるという
「生物と無生物のあいだ」で著した考えを発展させた、生物の定義としての動的平衡でした。
ところが、福岡氏の文章はそのような生命現象にチャレンジした研究者たちの研究の道のりや
生き様を巧妙に描き出しながら、
様々な社会現象もその動的平衡の考え方の中で解釈してしまう非常に興味深い本でした。
私は、長年医療機関での診療と、製薬企業での薬剤開発の両者に携わってきましたが、
その中で思ってきたことがあります。
それは、一端薬剤を使い始めると止めるときが非常に難しい という点です。
もし薬剤で病気が治癒するなら、その時点で薬剤を止めればよいのですが、
なかなか止め時がないというのが現実なのです。
例えば、「感染症」などのように外敵によって与えられた病気は、病気の終わりが比較的はっきりしています。
つまり「感染症」が治ったというときが存在し、それ以後、薬剤は必要なくなります。
ところが「高血圧」、「糖尿病」、「変形性関節症」、「骨粗鬆症」などの
いわゆる生活習慣病を含めた慢性疾患となると、そうはいきません。
さきほどの『動的平衡』という概念を用いると、慢性の病気と治療薬の関係が
非常にうまく説明できることに気がつきました。
健康という状態は体全体の臓器に調和が取れていて、ひとつの平衡状態を作り出しています。
ところが病気になるとこの平衡状態が変化します。
逆の言い方をすれば、平衡が崩れた状態が、病気であるともいえます。
そうすると、「病気を治す」ということは「元の平衡状態に戻す」ことであるといっても良いでしょう。
薬を使って病気の治療をすると、もしその薬がある程度の功を奏すれば
その不平衡状態は一定の平衡状態となります。
ところがそれは、時として病気でなかったときの平衡とは異なった平衡状態を作り出す可能性があります。
いわば薬によって作り出された幻想の平衡状態といえるかもしれませんね。
体には自然治癒力があります。
本来であれば病気はほっておいても治るはずです。
ただ、生活習慣病のたぐいは長年の悪行の蓄積が作り出した病的不平衡なので、
生活習慣を正したところで、長年のつけがありますから、簡単には元の平衡状態には戻せないでしょう。
しかし、生活習慣病にももちろん自然治癒力は働きます。
そして、ある程度の平衡状態に持って行くことも可能ですが、そのためには日常生活の質が問題となりますね。
もっともこれは若かりし頃の平衡状態とは異なるわけで、
それは根源的な老化ですので、ある程度は仕方がないことです。
言葉を換えれば、平衡状態のまま年齢を重ねれば健康のまま、その年齢なりの平衡状態となることができます。しかし生活習慣病のたぐいは異常に速い速度で老化が起こっているのと同じことですので、
いつしか平衡状態に破綻を来すわけです。
ですので、破綻を来す前にしっかり生活の質を改善することが一番よいのではないでしょうか。
お正月だと浮かれていたらあっという間に2週間が過ぎてしまいました。
皆様のお正月はいかがだったでしょうか?
私は家で静かに寝正月。何となくテレビ鑑賞に浸りきってしまいました。
正月のテレビは例年のごとく特別番組だらけでしたが、
特に初笑いとばかりに何とお笑い番組が多いこと。
正月早々暗いニュースよりは、せめて正月くらい明るく過ごしたいということかもしれません。
これはある医学雑誌にフランス文学者で東京大学教授の宮下志朗先生が書いておられた話ですが、
16世紀ルネサンス期のフランス人のフランソワ・ラブレー(この人は「ガルガンチュアとパンタグリュエル」という
荒唐無稽な物語の長編文学を著した修道士からお医者さんに転じた人です)は、
『笑いに治癒力がある』と考えていたようです。
宮下先生曰くラブレーの発言記録を見てみると、
彼の著書もおそらく治療行為の延長という認識であったようです。
この笑いと治癒力でちょっと前に話題になったのが、
アメリカのジャーナリスト、ノーマン・カズンズが著した「笑いと治癒力」という本です。
彼がかかってしまったのが、強直性脊椎炎という免疫異常で起こってくる難病で、
強い痛みを伴う病気です。
この病気にかかってしまったノーマンは、喜劇フィルムを見て馬鹿笑いをすると
しばらく痛みが軽くなるのを経験しました。
その後、それを繰り返すうちに病気そのものもよくなってしまったという話です。
実際臨床研究で、コントや喜劇等を見て大笑いするとNK(ナチュラルキラー)細胞という
ガンやウイルスを排除する免疫細胞が増えたり、活性が強くなったりすることが報告されています。
笑うことによって脳内のエンドルフィンが多量に分泌されるためとか、
自律神経が安定化するためとかいわれていますが、まだ本当のところはわかっていません。
沈静化してきたとはいえまだまだ油断できない新型インフルエンザ・・・。
しかし、笑いでNK細胞が活性化するのは何も正月に限ったことではありません。
皆さま、お笑い番組をしっかり見て、たくさん笑うことができれば、
きっとインフルエンザにかからず無事にやり過ごせるのではないでしょうか。
9月9日は、何の日かご存じでしょうか?
9(きゅう)と9(きゅう)で「救急の日」です。
では、急な発病やケガで利用する救急車、1年でどれくらいの台数が利用されているのでしょうか。
2008年度の救急車の出動件数は509万5615件、搬送された患者さんは467万人でした。
2007年度より若干減っているとはいえ、それでも62秒に1回の割合で出動している計算になります。
最近は救命救急のテレビ番組も多いので、病院の救急現場の実態をご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。我が国の国民医療費は年々膨れ上がっているのです。
一人の患者さんの命を救うことは非常に重要なことですし、そこにコスト概念を入れることは必ずしも受け入れがたいことかもしれませんが、一人の心臓発作の患者さんが救急車で病院に運ばれた場合のコストを考えてみましょう。
救急車のコスト
消防士の人件費
入院した場合の医療費
入院については、特にICU(集中治療室)に入った治療の場合、看護師、医師が24時間つきっきりで治療に当たりますから、その医療材料費、医療スタッフの人件費等のコストたるや莫大なものです。
もちろん一番つらい思いをするのは倒れた本人です。万が一、脳卒中で倒れて麻痺が残ればそのリハビリテーションに長い期間を費やさなくてはなりません。
救急外来に搬送されてくる患者さんは、外傷(けが)以外ですと脳卒中、心臓発作などが多いのですが、このような発作で倒れて搬送されてくるかなりの割合の患者さんは、日常生活、特に食事に気をつけていれば防げたろうに、と思うところがあり、非常に残念に思っています。
日常生活、食生活に気をつけるだけで、こんな思いをせずに健やかな生活を送れるということをぜひとも知ってもらいたいのです。
しかし、なぜ実践にまで結びつかないのでしょうか。
おそらく、したくないわけではないのでしょうが、めんどう、おっくう、病気になったときに考えればよい、色々と理由を見つけているかと思います。しかし、様々な健康食品や健康番組が流行っていますので、健康志向の人は多いのでしょうが、自分自身の体にあったものかどうかの判断は難しいですし、また本当に健康に向けて進んでいるのかどうかもわからない状況ではないでしょうか。
そして、そんな疑問を誰に聞けばよいのでしょう。病院やクリニックのお医者さんに聞いても、ただでさえ患者さんを治療するので忙しいのに、今元気ならそれで良いじゃないかと追い返されるのが現状でしょう。それが現在の医療の矛盾点なのです。
そこでその矛盾を解決するために、アーテイジとしては新しい医療の形として、その個人の持っている健康リスクを評価し、そのリスクを最小化するための支援を行うクリニックを立ち上げることになりました。
アーテイジとはそもそも芸術や熟練を意味する「art」と、年齢をあらわす「age」を合わせ、「年齢を重ねるごとに、美しく充実した人生を送っていただきたい」という願いが込められています。
日常生活、食生活に潜む健康リスクを評価して、個人の体質にあった解決策を提供し、健やかな生活を1人でも多くの方に送っていただきたい・・・ そんな想いからアーテイジクリニックの立ち上げが始まったのです。
新しい医療の形というアーテイジクリニックですが、例えば『肥満』について。
肥満とメタボリックシンドロームの関連はかなり明らかになっており、肥満を改善すると糖尿病、高血圧、高脂血症とその先にある脳卒中、心筋梗塞といった恐ろしい病気を予防できることが分かってきました。肥満はそれ以外にもガンの発症にも係わっていることも分かってきています。
このように肥満は多くの病気とつながっています。ですので、まず肥満のある人はこれを改善することを目指し、無理に体重だけを減らすのではなく、健康リスクを回避させることを目的に、1人1人の体質に合った減量をサポートしてまいります。もちろん美容のためのダイエットも同じです。やたらに体重を減らすだけでは、健康を損なってしまいますし、バランスの悪い体型にもなってしまいます。リバウンドが来ないように賢くやせる、これが重要です。
アーテイジクリニックでは、肥満を改善させるための適切な栄養指導とカウンセリングを専門的に行い、皆様の健康のお役に立ちたいと願っております。
今現在、クリニック開院への準備をしています。
詳細が決まり次第お知らせいたしますので、ご期待ください。
(事前にご質問がある方はメタボヘルプ.com運営事務局までご連絡ください。)
マンナンヒカリのプレゼントキャンペーンをお申し込みの方よりご質問がありました。
『普段の日常で便秘を治すには何をしたら良いですか?』という質問です。
便秘は多くの場合腸、特に大腸の動きが悪いことが原因です。
大腸の作用は主に水分の吸収ですので、食物残渣が長らく腸内にとどまっているとどんどん固くなって、
ますます排便しにくくなってしまいます。
腸の運動は精神状態にも関係していますので、まずたまったストレスを取りのぞいてリラックスすることが第一です。
次に水分の補給、食物繊維が豊富な野菜の摂取、全身運動が重要となります。
また腸内細菌も重要な役割を果たしていますので、ヨーグルトなどの乳酸菌食品も役立ちます。
余談になりますが、便秘の定義は「長期間排便がないことによりお腹に苦痛を感ずること」ですので、
毎日便が出なくてもそれが苦痛でなければ便秘とはいいません。
たとえば3日に一度しか排便がなくても、それはその人の生活リズムですので、
便秘として問題視する必要はないのです。
排便がないことを気にしすぎて、ますます腸の動きを悪くしていることもありますので、何事もリラックス、前向きに考えてましょう。
あるテレビの特集番組にて昨年後半に起こった金融危機について放送していました。
最新の金融工学を使ったリスク分散の仕組みと、そこで何が起こったのかを解説した番組でした。
私はもちろん金融の専門家ではないので、内容の半分も理解できたかわかりませんが、
簡単に言うと最新の数学、工学を組み合わせた金融工学を用いて、
貸し倒れリスクを最小化する方法を見つけたある投資銀行が、
そのリスクを積極的にかぶることで儲かる仕組みをもつ金融商品を作り上げた。
ところがその金融商品の儲けに目がくらんだ金融機関、投資機関が、
リスクも考慮せず際限なく資金をつぎ込んでしまった、というのが今回の金融ショックの原因ということでした。
金融商品のリスクの大元をたどると、米国での不動産価格は下落しない、
ということが前提であったようで、どこかで昔聞いたような土地神話がまだ残っていたようです。
リスクとは、いずれ具現化する可能性があるからこそリスクなのであって、
そのリスクの分析と対応は常に怠るべきではありません。健康も全く同様です。
誰しも病気になるリスクはあるわけですが、
残念ながら普段それを意識しているのはごくわずかな人たちだけでしょう。
たいていの人は「あの人は病気になったが自分は違うので大丈夫」あるいは
「病気になっても病院で薬をもらえば治るから大丈夫」と思っていて、
金融恐慌前の金融機関と全く一緒で、リスクを無視して根拠のない安全を信じているのです。
最近少しは健康志向ということで、病気のリスクを前向きに捉える人たちが出てきましたが、
メタボヘルプ.comの読者にはぜひ、リスクを意識して、しかしいたずらに不安を覚えるのではなく、
それをどうやって最小化するかを考えていただきたいものです。
先日あるテレビ番組で野菜を使ったスイーツの有名店が紹介されていました。
野菜というと苦手な人も多い中、フルーツのようにうまく取り入れて、美味しいスイーツに仕上げています。
ところがそこに買いに来ているお客さんのコメントが、ちょっと気になりました。
「野菜を使ったスイーツなのでいくら食べても大丈夫」、「野菜を使っているので健康的」といったものです。
ちょっと待ってください!
野菜=健康というイメージがみなさんあるようですね。
基本的にそれは間違いではありませんし、そういう意味ではフルーツだって十分健康的です。
でもそれは調理の仕方次第ということです。番組ではもちろん作っている風景も出ていました。
当然クリームにバター、砂糖をたっぷりです。甘さ控えめ、といってもそこはやはりスイーツですから相当入っています。ですから中に野菜が入っていようが、『量を食べれば不健康』ということをちゃんと認識する必要があります。
食品の一部のイメージだけで全体を捉えて、健康によいとか悪いとかいう傾向が強いようです。
たとえば大豆を使ったバーケーキがありますが、大豆ということで痩せるダイエット食品として捉える人が多いようです。ところが1本当たりのカロリー量は結構ありますので、量を食べれば普通の食事より肥る結果になります。
野菜スイーツや大豆のバーケーキが不健康だとはいいませんが、
食事の仕方、料理の仕方次第で健康的な食材も不健康になりうることは、
皆様のライフケアのためにも正しく理解していただけたら と思います。
真の健康志向の皆さん、是非ともかしこい調理や食べ方を身につけていきましょう。
手作りスイーツに興味のある方は、メタボヘルプ.comで紹介しているデザートレシピもご参考までに。
みなさんは何に幸せを感じますか。
お金をたくさん儲けたとき?
美味しいものを食べたとき?
かつて日本が貧しかった時代、「もの」への欲求には大いなるものがありました。
また世の中も大量生産、大量消費を「善」としてきたように思います。
時は流れ、気がつくと部屋の中には「もの」があふれかえっています。
食の世界も同様で、『安くて量があればよい』ということで、
より安い輸入食品に頼る仕組みが出来上がってしまいました。
いつから人はこんなに大量に食べるようになってしまったのでしょうか。
町のレストランでは食べ放題が大流行、
テレビでは大食いタレントによる大食い競争がもてはやされ、食の尊厳はどこへやら。
エコの時代といわれていますが、そんな時代にふさわしい食事があります。
安全で栄養価の高いものを、適度に食べるのが体には一番です。
『安全で栄養価の高いものなんて、値段が高いじゃないか?』
確かにひとつひとつの値段は高いかもしれませんが、多く買わなければよいのです。
『それではお腹が一杯にならない?』
そうですね、お腹が一杯になるまで食べなくていいのです。
お腹が一杯にならないと幸せを感じられない?
量的な幸せを求めずに、質的な幸せを求めてください。
少量の食材を丁寧に調理して、ゆっくり味わう。
そこに流れるゆったりした時間をともに食してください。
「もの」であふれた部屋に幸せを感じますか。
もっとゆったりした空間が欲しくなるのではありませんか。
冒頭の質問、何に幸せを感じますか?
私はたぶん健康でいられることではないかと思うのです。
ところがこれは、残念なことに健康でない状態になって
初めて実感できるというのが現実です。
皆さんもぜひ本当の幸せを見失わないように、
食材のひとつひとつを尊重しながら食べてみてはいかがでしょう。
きっと幸せを味わえますよ。
あるテレビ番組でうつ病を特集で取り上げていました。
要旨を記すと、医師がきちんと患者の評価をせずに、
抗うつ剤を安易に処方し、良くならないとどんどん種類と量が増えていく。
処方が増えるといろいろな薬剤による副作用が重なり、
元々の病気が良くなっているかどうかがわからなくなる。
まず、こうした悪循環が説明されました。
さらに、ある大学病院では、処方されていたクスリの種類と量を減らすことにより
患者さんの状態が改善した。
こんな内容で話は進み、
実際にクスリを減らして良くなった人を画面に映し出していました。
私のこのブログでは、クスリはできる限り飲まずに、
自身の持っている治癒力を高めよう、と主張してきました。
その意味ではこの番組は共感すべきものであったかもしれません。
しかし同時に、こんなことをテレビで放映すると、
患者が大混乱になるだろうなという危惧も持ちました。
気をつけなければいけないのは、うつ病は時として死に至る病です。
そう、自殺です。
東京ではほとんど毎日、人身事故による列車の遅れや
運行停止を目にしています。
列車の人身事故はほんとうに自殺なのかと計算してみました。
年間約3万人が自殺で亡くなっています。
これは17分30秒に一人自殺で亡くなっている計算になります。
東京には全人口のだいたい10分の1が住んでいますので、
平均すると東京だけでも3時間に一人、自殺者が出ていることになります。
この番組を見たうつ病の患者さんたちが、
勝手に自分でクスリを減らさないことを祈るばかりです。
一端増えたクスリを減らすには、専門の知識と判断力が必要です。
番組中の解説者がその旨強調するか、少なくともテロップなどで、
視聴者の患者に、番組を見て、
自身の判断でクスリの量を減らさないように訴えるべきだったと思います。
薬物療法中の患者さんたちは微妙なバランス状態にあります。
もし勝手にクスリを減らした患者さんたちが自殺に至ったら、
テレビ局はどのように責任を取るつもりでしょうか。
認知行動療法など薬物治療以外の重要性や、医師選びのポイントなど
とても大切なことを網羅していただけに、大変残念です。
東京都町田市の病院でインフルエンザに計112人が集団感染し、
女性患者3人が死亡しました。
東京都がインフルエンザの症状が見られる
病院関係者ら計24人を調査した結果、
患者21人のうち11人が「インフルエンザA香港型」というウイルスのタイプに
感染していたとのことです。
インフルエンザの型については以前のブログで解説しましたので、
お分かりかと思いますが、香港型はA型のH3N2の亜型で、
今年主に流行している型です。
最近抗インフルエンザウイルス薬タミフルの耐性を持っている
ソ連型(H1N1の亜型)がかなり広まっていることが話題になっておりますが、
こちらの病院で感染したのはタミフルの効くタイプだったようです。
ほぼ全員インフルエンザワクチンは接種していたにもかかわらず
3名が死亡したということは、インフルエンザ感染力の強さを物語っています。
これも以前のブログにも書きましたが、
現在のインフルエンザワクチンは感染を未然に防げるほどの
強い免疫力を誘導する力はなく、
感染後の重症化を防ぐことがせいぜいです。
その上、高齢者では免疫力そのものが低下しているので、
ワクチンによる抗体産生を十分誘導できないばかりか、
感染後にウイルスと戦う力も弱いということになり、
どうしても重症化が避けられないことになりますので、手洗い、うがい、
感染した人に近づかないといった予防が
如何に大事かということもこの事件は示しています。
今回誰が感染源になったのかがもうひとつの話題になっていて、
医療関係者(特に病院職員)だということになっております。
会社でもそうですが、インフルエンザにかかっても、
無理して出社してくる人がおりますが、
あれは本当に止めたほうが良いと思います。
がんばっているところを見せたいのか、
仕事に穴が開くのを恐れるあまりかわかりませんが、
自分も重症化するばかりか他の人へ感染させるという迷惑行為になりますので、
インフルエンザにかかったらあきらめて3日間
家で閉じこもって寝ている、これを心がけていただきたいと思います。
また他の社員も明日はわが身と、
インフルエンザにかかった社員を無理に来させることなく、
安心して休めるようにしっかりとしたバックアップ体制を
作り上げておくことが重要です。
香港型やソ連型のインフルエンザ程度でしたらまだ良いですが、
今流行が懸念されている新型インフルエンザが
パンデミック(広範囲に流行すること)になったときには、
家から出ることすら政府により禁止されますので、
今のうちから社内体制を作り上げておくことが重要だと思います。
インフルエンザウイルスの特効薬はどうやって効くの?
さて抗生剤とは違い、インフルエンザウイルスそのものに
対する特効薬であるタミフルOR(中外製薬)やリレンザOR(グラクソ・スミスクライン)は
このインフルエンザウイルスが持っているノイラミニダーゼの働きを阻害し、
インフルエンザウイルスが細胞の中に入り込んで増えることを
阻止するお薬です(感染の仕組みを思い出しましょう)。
感染の仕組みとその治療(1)
http://www.metabo-help.com/drblog/0004/1_4.html
感染の仕組みとその治療(2)
http://www.metabo-help.com/drblog/0004/2_3.html
これらのお薬は、インフルエンザのかかりはじめに使うのが
効果的というのはこのようなわけです。タミフルは内服薬ですが、
リレンザは吸入薬です。
吸入薬ということでちょっと使いづらい面はありますが、
より直接的に効果が発揮されるという利点があります。
またタミフルは内服薬ということで気軽に多く使われすぎたためか、
最近はタミフルが効かない耐性ウイルスも出てきています。
また2,3年前よりタミフルを使用すると突然歩き回ったり、
中には2階から飛び降りてしまったりという異常行動が相次いで報告され(後にリレンザでも報告)、クスリの副作用ではないかと疑われました。
しかし詳細な調査により、これらの異常行動はお薬の副作用というよりは
インフルエンザそのものによる症状であると結論されました。
しかしお薬の副作用であるかどうかにかかわらず、
インフルエンザにかかるとこういった異常行動を起こすことがあるので、
これらのお薬を使う場合はお医者さんや薬局での注意をしっかり守って、
特にお子さんの場合には熱の高い時期は異常行動を起こすことがあるので、
目を離さないように気をつけてあげてください。
結局予防が一番!
もっともこれらのお薬を使わないでも済むように、
しっかり予防するのが一番です。
寒い時期はマスクで呼吸器の湿度と温度を保って、
またウイルスの入った飛沫をひろってもうがいで流し、
手洗いを十分にすることが予防になります。
緑茶に含まれるカテキンは抗ウイルス効果があるといわれています。
中には緑茶でうがいをする人もいますが、飲めばその他の効果もありますから、
うがいは水で、その後緑茶を飲めばよいでしょう。
粘膜を丈夫にするビタミンも重要です
(風邪予防のビタミンについては
サプリメントサンプル館のヘルスステーションをご覧ください)。
ということでこの冬はがんばって風邪予防をするぞ!
お医者さんはなぜ抗生剤をくれるの?
ウイルスにすっかり占拠された粘膜細胞は、
今度は病原細菌などのバリアの役割を果たせなくなり、
免疫力が落ちていたり、体力がなかったりすると
とたんに気管支炎や肺炎を起こして
危険な状態になってしまいます。
風邪を引いてお医者さんにかかると抗生剤を処方されますが、
抗生剤がウイルスをやっつけるわけではなく、
その後に起こるかもしれない細菌感染を予防するために
使ってくださいというわけです。
ただ私の意見としては通常元気な大人は
抗生剤を使う必要はないと思います。
インフルエンザはどうやって伝染するの?
粘膜細胞内でウイルスタンパクができますと、
今度は粘膜細胞膜から芽が出るようにウイルス粒子が
外に飛び出していきます。
インフルエンザウイルスはこのように自分の子孫を残そうとするのです。
体の免疫機構が感染した粘膜細胞をおかしいと感知すると、
免疫細胞や抗体などがウイルスやその感染した細胞を
排除しようと働いて炎症を起こします。
これが結果として喉の腫れや咳、くしゃみ、鼻水などの症状となって現れるわけです。
ここでくしゃみや咳ででる飛沫に乗って外に出たインフルエンザウイルスは、
他の人の呼吸器粘膜にとりついて伝染が始まります。
予防にうがいや手洗い、マスクがなぜ重要なのかがわかりますね。
インフルエンザはどうやって感染するの?
さてインフルエンザウイルスは呼吸器粘膜にとりついても、
粘膜細胞の表面にある粘液に邪魔されると細胞に到達できません。
空気が乾燥して、呼吸器粘膜上の粘液が少なくなると
ウイルスは動きやすくなります。
空気が乾燥する冬の時期にインフルエンザが流行するのはこのためです。
粘液中の糖鎖にあるシアル酸と、
ウイルスの外側にあるヘマグルチニン
(インフルエンザウイルス模式図のHA)の突起がまずくっつきます。
くっついたままですとウイルス同士も結合して
粘膜細胞に到達できませんので、
ここで同じくウイルス表面に並んだノイラミニダーゼ(模式図のNA)という
酵素が働いて、シアル酸と糖鎖を切り離してウイルスが
粘膜細胞に到達するのを助けます。粘膜細胞に到達するとウイルスは、
今度は細胞膜にあるシアル酸にくっついて細胞の中に入り込んでいきます。
インフルエンザウイルスは
(-)鎖RNAウイルス(ウイルスの中に自分自身を作り出す設計図として
RNAを持っている)ですから、
ウイルス自身が持っているRNA合成酵素を使って、
メッセンジャーRNA(アミノ酸を組み合わせてタンパク質を合成するRNA)をまずつくり、
それからウイルスタンパクを合成します。
(参考までに(+)鎖RNAウイルスというのは、
ウイルスの持っているRNAがメッセンジャーRNAそのもので、
細胞に入り込むと即タンパク質を合成できるウイルスです)。

明日は伝染の仕方についてお話します。
感染症が大流行することをパンデミック
(広範囲に伝搬するという意味)といいますが、
このパンデミックの状態になってしまってからワクチンを作ると
6ヶ月以上かかるので、パンデミックの前の状態、
すなわちプレパンデミックの時に作っておくのが
プレパンデミックワクチンです。
最近よくパンデミックワクチンとして報道されているのが
このH5N1トリインフルエンザウイルスワクチンなのですが、
正確にはプレパンデミックワクチンです。
(もっともパンデミックを予想して作っているので、
その意味ではパンデミックワクチンですから、
ややこしいのでここではパンデミックワクチンということにします。)
もっとも、本当にH5N1トリインフルエンザウイルスが
パンデミックを起こすかどうかはまだわからず、
肩すかしを食ってまったく別のウイルスが
パンデミックになることもあり得るわけで、その時に備えて、
新たなウイルスで流行が始まっても、
そのウイルスに対抗するワクチンを
短期間で作れるようにする研究も進んでいます。
H5N1型トリインフルエンザウイルスが
ヒトへの感染性を完全に獲得すると、大流行を起こす可能性があるため、
パンデミックワクチンとして、製造され、備蓄されているのが
このウイルスに対するワクチンです。
ただしこのワクチン備蓄は1000万人分程度しかなく、
流行の兆しが認められたときにはインフルエンザに感染すると
重症化しやすい高齢者や小児、流行時に治療などに対応する医療関係者、
政府関係者へ優先的に摂取が行われることになっています。
現在のワクチンは国内メーカーのみのものですが、
量的には不十分なため海外メーカーのものも輸入すべく、
臨床試験をはじめとする準備が進められております。
さて、現在みなさんが受けているワクチンはこのワクチンではなく、
H1N1(Aソ連型)、H3N2(A香港型)、B型の混合です。
私の友人で、昨年ワクチンをうったのにしっかりかかってしまったので、
今年はうたないことにした、ということをいっている人がおります。
間違わないで欲しいのは、
ワクチンというのはインフルエンザにかからなくするためのものではなく、
かかっても重症化させないために使います。
もちろんウイルスに対抗する抗体が非常にたくさん誘導されれば
感染には至らないということがあるかもしれませんが、
インフルエンザワクチンは元来それほど強い免疫を誘導できるわけではありません。
ですからワクチンを打っても予防は大事ということです。
風邪予防の食生活やサプリメントについては
サプリメントサンプル館のヘルスステーションで詳しく解説しておりますので、
是非そちらもご覧ください。

A型のインフルエンザウイルスは亜型がたくさんあり、
ウイルス表面にある特殊な糖タンパク質で区別されています。
糖タンパク質はH(ヘマグルチニン:血球凝集素タンパク質)と
N(ノイラミニダーゼタンパク質)とに分けられ、
Hは16種類、Nは9種類あります。
分離されたウイルスはその型によって
H1N1とかH3N2とかと呼ばれます。
この表面の糖タンパク質が常に一定であれば、
一度感染してしまうと免疫細胞が記憶して
二度と感染することはないのですが、
インフルエンザウイルスの場合、毎年のように
この表面の糖タンパク質が変化するために
免疫細胞から逃れてしまうのです。
インフルエンザウイルスの流行にはトリとブタが大きな役割を果たします。
トリの中でも広範囲に移動する渡りガモが重要と考えられています。
今まではトリインフルエンザウイルスが変化してブタが感染し、
ブタから変化してヒトに感染するようになることが一般的でした。
ところが1997年に
香港でトリインフルエンザウイルスに18人が感染し、6人が死亡しました。
このときのトリインフルエンザウイルスはH5N1型で、
通常はヒトには感染しないタイプのものでした。
これは一端収まったのですが、2003年末から2004年にかけて、
東南アジアのいくつかの国で
ニワトリに大規模な集団感染が再び起こってしまいました。
この時もH5N1トリインフルエンザウイルスで、
34人に感染して24人が死亡するという非常に致死率が高かったため、
一挙に危機感が高まりました。
現在、このウイルスのヒトへの感染能力は高くありませんが、
もしヒトへの感染性を強く示すようになると大流行の危険性があるため、
各国で警戒が強まっています。
冬になって風邪が本格的になってきました。
風邪はいろいろなウイルスによって起こりますが、
中でも症状が重いのがインフルエンザウイルスによる風邪です。
今日から三日間にわたって、インフルエンザについてお話をしたいと思います。
インフルエンザウイルスはまず喉や鼻の粘膜にとりついてそこで増殖します。
それぞれの感染性ウイルスには臓器特異性というのがあります。
たとえば肝炎ウイルスは肝臓しか感染しませんし、
エイズウイルスもリンパ球という血液の細胞にしか感染しません。
インフルエンザウイルスにとっては呼吸器粘膜が絶好の増殖場所です。
ウイルスは呼吸器粘膜にとりついて増殖し、
とりつかれた喉や鼻は免疫反応を起こしてウイルスを除去しようとします。
この反応により喉が腫れたり、くしゃみ、鼻水、咳が出たりするのです。
くしゃみや咳によってはき出された細かい飛沫にウイルスが乗って、
今度はこれを吸い込んだ他のヒトに伝染します。
ですから予防としては、まず、うがいをしたり手を洗ったりすることが重要となります。
インフルエンザウイルスは大きくA型、B型、C型の3種類ありますが、
流行を起こすのはほとんどがA型です。
B型、C型はヒトのみに存在しますが、
A型はトリとかブタとかいろいろな動物に存在します。
通常はトリのウイルスはトリだけ、ブタのウイルスはブタだけなのですが、
インフルエンザウイルスは変化しやすく、
動物種を超えて感染を起こすことがあるため大きな問題となります。
先日ケーシー高峰のお笑いコントを見ていたら、うまいこと言っていました。
「健康のありがたさを知っているのは病人だけ!」。
思わず笑ってしまいましたが、
これは笑っている場合ではありません。
ほんとうにそうなのです。
これは株式会社アーテイジがこの事業をやっている
根幹にも係わる問題です。
たとえばメタボリックシンドロームを発症してしまった人たちを見てみると、
その発症の前、5~10年間の無症状の肥満の時期があるのです。
ですからその無症状の肥満の時期に何かの対策をしていれば
メタボリックシンドロームの発症はなかったことになります。
発症してからではリセットはかけられないのです。
健康のうちに病気にならないことを考えておく、これが一番大事です。
どうも勘違いしている人が多いような気がしてなりません。
何の話かというとクスリのことです。
クスリを飲めば病気が治る、あなたはそう信じていますか?
多くの薬剤は病気に伴って起こる症状を和らげる作用があるだけです。
あるいは病気で足りなくなった成分を補うだけです。
それでは、病気を治すためには何をすればよいのでしょうか。
基本は自分自身の治る力を最大限引き出すことです。
生体は全体が微妙なバランスの上に成り立っています。
様々な代謝反応が次々に起こって、
生体の活動を支えているのです。
あるときそれらの反応のいくつかがおかしな方向に
向いてしまうことがあります。
ある程度の規模にその異常が広がるまでは別の反応が修復したり、
代わりを務めたりして全体のバランスが崩れないようにしています。
ところが、このバランスの乱れが大きくなると
修復不可能なところまでいってしまい、病気が発症することになります。
生活習慣病はまさにこのパターンです。
従って病気を治すためには、
このバランスを元に戻してやることが必要な作業ということになり、
また元に戻らないまでも、それに近い状態で
バランスを取り戻してやればよいことになります。
病気を治すためには自然治癒力を邪魔しないように、
またはその治癒力が働く方向にうまく持って行くようにすればよいのです。
ですから薬剤も、そうしたことを基本に使っていかなければいけないはずです。
医師である自分が言うのも変な話ですが、
どうも医師という職業は、病気を診断して治す仕事だと
思い込んでいる人がかなり多いと思います。
診断はします。ですが、治すのは医師ではありません。患者さん本人なのです。
医師の仕事は、患者さん本人が病気の治る方向に
向かっていくように指導し、薬剤は、
それがうまくいくように手助けすることを基本に使用すればよいのです。
どうも患者さんの症状を急いで取らんがために、
薬剤を多く用いて、今度はそのクスリのためにバランスを崩して、
その崩れたバランスを元に戻そうと別の薬剤を用いて、
結果として高齢の患者さんに10種類以上の薬剤を投与する結果になるのです。
何の病気にしろ、なってしまったらその病気と対話するくらいの気持ちで、
どんな方向を向けば良くなるのか、
あせらずに考えることが第一だと思います。
ちょっと概念的すぎてわかりにくいでしょうか?
病気とクスリの関係については、今後とも書いていきたいと思います。
CIOMS(Council for International Organization of Medical Sciences)という
学術団体の会議へ出席のため、先週ロンドンに行ってきました。
このCIOMSという団体はWHO(世界保健機構)とUNESCO(ユネスコ)とが
共同で作った学術団体で、
私は薬剤の副作用監視に対するいろいろな提言を行うグループに所属しています。
現在のグループでは如何に早く薬剤の重大な副作用を捉えて、
医療現場に注意喚起を行うかというシステムの提言を話し合っています。
病院で使われるお薬は、残念ながら程度の差はあれすべて副作用があります。
主作用である有効性に優れる薬剤は、
裏腹に副作用も強いものが多いのです。
このため製薬企業は多くの臨床試験を通して
有効性と副作用のバランスを確認しながら、
最終的に国の承認を受けて医療機関に向けて販売しています。
よく、副作用のあるようなクスリをなぜ国は承認したのだと怒る
患者さんがいらっしゃいますが、一定の頻度で副作用が起こることを前提に
薬剤は承認されるのです。
有効性と安全性のバランスがよいもの(ベネフィット・リスクバランスといいます)、
すなわち有効性が高く、
副作用が少なく安全性の高い薬剤(副作用はゼロではありません)が
理想的な薬剤です。
臨床開発の段階では臨床試験に参加した患者さんの数は
日本国内だけですと、多くても1000人程度、
グローバルに展開している製薬企業の場合、
海外の臨床試験も含めると3000人から5000人程度です。
たとえば5000人の患者さんに使われ、
そのうちの1例に重大な副作用が発生したとすると0.02%の発生率となります。
ところが各国で承認になって使われ始めると、
世界中で10万人と100万人に使われるようになり、
かなりの数の重大な副作用が発生することになるのです。
そのため製薬企業や国(厚生労働省やその関連機関)によって
副作用の情報収集と分析が行われ、予期しない副作用が起こっていないか、
特定の条件下で
(特定の薬剤といっしょに使うとか、心臓などに病気を持った患者さんの集団とか)
特定の副作用が起こっていないかを監視しています。
今回のロンドンでの会議では
そのような副作用発生の兆候を如何に早く捉えるか、
その捉えた兆候をもとに、どのように医療機関や患者さんに
届けるのかといったシステムを作り上げるための提言をまとめております。
新聞報道などで取り上げられる薬害問題は
この副作用の監視がうまくいかなかったために起こったものです。
血液製剤で起こったエイズや肝炎は、
副作用の情報を捉えていながらその情報提供が遅れたり、
副作用情報の分析が不十分で副作用の広がりを過小評価したために起こりました。
現在でも副作用を捉えて情報を分析するシステムは存在します。
でも必ずしも完璧ではありません。
この薬剤を使えば病気が治ると信じて使った薬剤で思わぬ副作用を起こり、
別の重大な病気になってしまうことは大変不幸な出来事ではありますが、
いつ誰の身にも起こりうることなのです。
病院や調剤薬局で副作用情報を聞かされ、
飲むのが怖くなったという話を良く聞きますが、
副作用から身を守るのは自分自身なのですから、説明は良く聞いてください。
そして説明を受けた副作用と同じような症状が起こったらただちに医師に相談してください。
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