2008年度から健康保険組合に義務付けられる、メタボリック対策の健診も担当する「ドクター内山」が、長年の臨床や製薬企業の医療コンサルタントとしての経験を元に健康維持のための様々な情報を気軽に書き綴るブログ

人生100年の時代!

2017年年頭のごあいさつで「暦年齢は当てにならない」ということを書かせていただきましたが、
1月5日に日本老年学会と日本老年医学会が、『高齢者の定義』を見直すことを提言しました。

現在、65-74歳を前期高齢者、75-89歳を後期高齢者と定義していますが、これを65-74歳は
准高齢者、75-89歳を高齢者とするとしています。

国の各種健康関連のデータベースを用いた調査では、特に前期高齢者は加齢に伴う身体
機能変化が、以前に比較して5-10年遅れて出ている現状で、社会活動が可能な人が
ほとんどであるとの知見が得られたとしています。

つまり、65-74歳はまだ十分働けるのだから退職して遊んでいる場合ではないぞということです。
なんとなく年金や健康保険の財政状況を考えると、つい国の裏の意図を考えてしまいますが、
実際科学的にも5-10年若返っていることは事実のようです。

ただこの年代層では、個人差が大きく、元気に社会活動している人もいますが、そうでない
人達もいます。一般的に暦年齢が上がるに従い多様性(個人間の違い)は大きくなります。
熱力学の第2法則にエントロピーは増大するというのがありますが、人のカラダもまさに
この通りです。

『エントロピー』というのは説明すると難しいので省きますが、秩序だっていたものが時間とともに
乱れてくるということで、20歳代、30歳代など個人差はもちろんありますが、健康度も含めて
ほぼ同じようなカラダの状態ですが、50歳代くらいから個人間のばらつきが大きくなってきます。

これは環境から受ける影響が蓄積してくるともいえるわけで、そうなると自分の健康に直接
かかわる食事、運動などの生活習慣を見直して人生後半の環境から来る影響力をよい
方向に持っていく必要があるわけです。

平均的には5-10年若返っているというデータが出たということは、今後の国の政策をこの事実に
基づいて決められてくるわけですから(国の施策は平均値がものをいいます)、50歳代で疲れ
切っている人は自分で何とか健康を取り戻すことが喫緊の課題というわけです。

今まで遺伝子検査を使って遺伝体質を知り、それに合わせた食事、生活習慣を指導して
きましたが、今後ますますこういった対策が必要となってきます。

メタボヘルプ関連医療施設であるパークサイド広尾レディスクリニックでは、このような状況を
踏まえ、個人に合わせた老化対策を総合的にご支援していきたいと考えております。

2017/01/18 14:38:38 | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年の総括


2016年を振り返ると、私の中では遺伝子検査に注力した1年であったように思います。
遺伝子検査は従来から手がけている栄養代謝関連遺伝子の検査を中心に行っていますが、
後半からはGreenChordというがんを含む64疾患遺伝子のリスク判定をする遺伝子検査も
手がけるようになりました。
この遺伝子検査に含まれるがん遺伝子は胃がん、食道がん、大腸がん、乳がん、子宮がん、
前立腺がんなど一般的ながんを網羅しています。多くの人はまだがんを突然降りかかってくる
災いのように捉えていますが、実は多くの場合生活習慣のゆがみから出てくる病気、すなわち
『生活習慣病のひとつ』として考えるべきなのです。
つまり生活習慣を変えることによりがんの発症をコントロールすることも可能だということです。

では、がん遺伝子を調べればがんになる、ならないが、分かるのでしょうか?
残念ながら研究はまだそこまで進んではいません。ただ少なくとも、『その人がかかりやすいがんは何か』、をある程度推測できるようにはなってきました。
『かかりやすいがんを知り、効果的な対策を立る』ということです。

遺伝子解析手法も日々発展していて、10万円程度で30億個ある塩基配列が全部分かって
しまう時代になってきています。ただ、すべての塩基配列がわかってしまうと、すべての遺伝子に
ついてその配列がわかってしまうことになり、不都合な真実、すなわち重大な不治の病気の
変異遺伝子の存在を知ってしまうことにもなります。
倫理学者の中には、もしそのような遺伝子変異があったら、それは知らせるべきではないという
立場を取る人たちがいます。ただこの議論を聞いていると、私は昔のがんの告知を思い
浮かべてしまいます。

私がまだ医者に成り立ての頃は、『がんは告知すべきではない』というのが主流で、ほとんどが
がんであることを偽って治療していました。
「先生、私は本当はがんなのでしょう?」と聞かれて答えに窮したことも何度かありました。
今では考えられないことです。当時はまだ抗がん剤も有効なものが少なく、がんの告知イコール
死の宣告のように受け取られていた時代背景があったからなのかもしれません。

まだ治療が難しいがんも多くありますが、今ではがん治療によって治るがんも出てきている時代です。おそらく遺伝子変異もこれと同じで、ごく近い将来には、個人の情報なのになぜ本人に知らせないのかということになると思います。そのためには遺伝子の持つ情報の意味をしっかりと分かりやすく伝えていくことが医療者のつとめだと考えています。

今後広げていこうとしているニュートリマイスター講座は、ベーシックでは、まずはカラダの仕組みや栄養の働きを知って、健康とは何か、健康な体になるための方法は何かを学んでいただくために作成しました。
将来的にはニュートリマイスターとは医学、栄養学と遺伝子情報を結びつけられる人と定義できるくらいに発展させられればよいと考えております。

2017年も健康で病気にならないカラダづくりに貢献できるよう頑張ってまいります。
ご支援をよろしくお願い致します。

2016/12/26 09:45:32 | コメント (0) | トラックバック (0)

人と水との大切な関係性


「デトックス」という言葉を聞いたことがあるかと思います。
これは本来「解毒」という意味ですが、昨今体の中の悪いものを外に出すという意味で
使われることが多いようです。
栄養素を取り入れ、体の中でそれを代謝してその残りカスを外に出すための重要な臓器として
肝臓と腎臓があります。肝臓は体内の化学工場みたいなもので、体の中にある様々な物質を
化学的に分解して無害なものに変え、腎臓はそれをおしっことして外に出します。

腎臓には1分間にどれくらいの血液が流れ込まれると思いますか?
答えは約1リットルの血液です。

多くの老廃物は、血液中の水分に溶かし込まれて、一端腎臓の毛細血管で濾過されて、
必要な成分はまた腎臓の中で再吸収されるといった仕組みをとっています。
このとき、水に溶ける老廃物のほとんどは腎臓から尿として外に出ます。

ということで水分が少ないとこの仕組みがうまく働かなくなります。
よく1日1.5リットルくらい水を飲みなさいというのは、汗などから失われる水分を補う以外に、
このデトックスのためにも重要な役割があるのです。

私は、クリニックで遺伝子検査に力を入れてやっています。
栄養代謝に係わる遺伝子を検査して、脂質の代謝、炭水化物の代謝、活性酸素の処理能力などの体質を見ながら、その体質に即したダイエット指導をおこなっています。
体質に合った食事というのは非常に重要で、「水」に関しても同じことがいえるのではないかと思っています。

日本人の祖先は、この土地に2万年くらい前に住み着きました。
実はそれ以来遺伝子は、大きくは変化していません。つまり2万年前の生活環境に適した遺伝子を
そのまま使っているわけです。
時は氷河期の終わり頃、北からはマンモスを追いかけてやってきた集団、南からは森の中で
木の実や果物をとって食べていた集団、あるいは海岸に沿って魚や貝をとって食べていた集団、
こんな人たちの寄せ集めが今の日本人の祖先です。

水に関していえば、それ以来日本人はこの地にわき出る水を飲んで、カラダの代謝水として
利用しながら過ごしてきたわけです。水と栄養代謝は冒頭申し上げたとおり、深いつながりが
あります。
当然水の中に含まれるミネラルや微量成分に適した遺伝子構成ができあがっているはずです。

水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの量により硬水、軟水という分け方があります。
日本の天然水はほとんど軟水に分類されますが、含まれるミネラルや微量成分は地方により
特徴があります。
日本酒は軟水でないとうまくできません。日本酒を造る麹菌は日本の天然水でないとうまく
働けないからで、各地方の銘酒の味の違いは水の違いにもよるわけです。

また有名なフランスパン職人の話では、フランスから取り寄せた水でないと良いフランスパンが
焼けないといいます。パンを作る酵母菌もまたその土地の水が必要ということです。

人間の体は麹菌や酵母菌ほど単純ではないので、そこまで厳密に地元の水に左右されるわけではありませんが、やはり生まれ育ったところの水がカラダの遺伝子にとっていちばん適している「やさしい水」と言うことになるのではないでしょうか。

地方から出てきて東京で生活して疲れてしまったという方も多いかと思いますが、
そんなときふるさとの水を飲んでみては如何でしょうか。
きっと遺伝子から癒され、同時に心も癒されるはずです。

2014/07/18 16:41:49 | コメント (0) | トラックバック (0)

遺伝子検査を受けるきっかけ

遺伝子ダイエットドックにお見えになった方みなさんに、
このドックを受けようと思ったきっかけを伺っています。

先日受診された方のきっかけは、その方の息子さんが30歳代半ばにして、
つい最近心筋梗塞で亡くなられたとのことで、大変お気の毒なお話しでした。

毎年の健康診断では『少し太り気味だから気をつけてください』とはいわれていた
ようですが、特段具体的に異常の指摘や指導があったわけではなく、
本人もそれほど強い自覚を持っていなかったとのことでした。
ところが実際は、冠動脈という心臓の筋肉に血液を供給している血管に
動脈硬化が進んでいて、そこに広範囲に血栓ができてしまったようです。
そんな出来事があったため、ご自身もポッチャリ体型のため、『同じように心筋梗塞を
起こしやすいのかどうか知りたい』というのが遺伝子ダイエットドックに来られた理由でした。

実は私が遺伝子ダイエットドックの元になった健康リスクプログラムをはじめたきっかけも、
何人かの友人を心筋梗塞で亡くしていたからです。
そのうちの一人は50歳のときに駅で心筋梗塞を起こしてそのままかえらぬ人になりました。
子供も小さく家も買ったばかりという状況でした。
健診で多少の異常は指摘されていましたが、特段深刻な自覚症状もなかったため、
お酒やタバコを続けていた結果でした。

遺伝子ダイエットドックの内容は、

◆肥満遺伝子の状態(脂肪がたまりやすいかどうか)、
◆酸化ストレス(活性酸素の処理能力が高いかどうか)、
◆脂質代謝(脂質異常が起こりやすいかどうか)、
◆血栓(血栓を起こしやすいかどうか)、
◆高血圧(高血圧になりやすいかどうか)、
◆動脈硬化(動脈硬化が進みやすいかどうか)、
◆糖質代謝(インスリン抵抗性が起こりやすいかどうか)

といったところが主体で、後は感染症、アレルギー、骨粗鬆症などについて
その起こりやすさを判定するものです。

心筋梗塞は、
1) 活性酸素に弱い
2) 脂質異常を起こしやすい
3) 動脈硬化が進みやすい
4) 血栓ができやすい

といった遺伝体質がそろっていると起こりやすくなります。

まさに、検診だけではわからない将来予測が見えてくるのです。

冒頭の受診者の息子さんや私の友人も遺伝子検査を受け、少なくとも
心筋梗塞を起こしやすい体質ということが分かっていればまた違った結果になったのでは、
と、とても残念です。

もちろん遺伝体質に由来する○○病が起こりやすいので気をつけましょう!というだけでは
従来の健診とあまり変わらなくなってしまいますので、その方の体質に合った食生活、
運動についての対策も一緒にお話ししています。

たとえば炭水化物を制限すべきか、それとも脂質を制限すべきか、
軽い有酸素運動が良いのか、比較的強い運動の方が効果的かといった内容を、
遺伝体質に合わせてまとめてプログラムを作っています。

残念ながら、多くの方はダイエットの方向性が見えたところで満足されて
それで終わってしまいますが、実はその先がもっと重要で、その食習慣、運動習慣を
しっかり身につけていただかないと、病気の予防にはなりません。

そのためにはそれなりのテクニックと努力が必要となりますが、
なかなかダイエットコーチングプログラムまで入っていただける方が少ないのが
目下の悩みです。
3ヶ月、6ヶ月と一定期間通院していただければ効果も出やすいのですが、
まとまった時間が取れない方が多いため、新しいプログラムを導入しました。
それは、ご自身のやり方でやっていただいて、時間のあるときに来院して
チェックするというフリープログラムです。
多忙な方でも遺伝子検査、プログラムに興味のある方にご利用いただけるプログラムです。

ともかく予防できる病気にみすみすかかってしまうことほど残念なことはありません。
遺伝体質に合った生活習慣を作り上げて、元気で健康な生活を送っていただけるよう
願っています。

2014/06/19 22:34:03 | コメント (0) | トラックバック (0)

遺伝子検査の基本的なポイント

新年あけましておめでとうございます。
お正月は如何お過ごしになりましたか。
正月はおせちとお餅とお酒に加えてあまり動かないので、
体重計には乗りたくないシーズンですよね。

さて年末に2013年の話題のひとつとして遺伝子検査の話を書きましたが、
遺伝子検査も値段が下がって受けやすくなったので受けてみようという方も
増えてきたのではないでしょうか。
ただ検査結果をどのように解釈し、自分の将来にどのように当てはめればよいかは
たいへん難しい問題で、特にガンのリスクを上げる遺伝子などは、実際に検査をして
後悔する人もいるのではないかと危惧しています。

そこで今回は遺伝子検査の基本的なポイントを書きます。

まず遺伝子検査ですが、すべての遺伝子を調べるわけではなく、ある特定された
遺伝子をいくつか取り上げて、標準的な遺伝子に比較して変わっているところが
あるかないかを検査します。遺伝子はDNAという物質が数珠つなぎにつながった
ヒモのようなもので、そのDNAは持っている塩基により4種類あります。
この4種類のDNAの並び方が重要で、並び方が標準と異なる遺伝子を
変異遺伝子と言います。

ところで特定の病気と係わっていることがわかっている遺伝子があり、
これらの遺伝子が変異遺伝子となっている場合、その病気が起こる確率が高まる
場合があります。

前回のブログで書いたBRCA1、2という遺伝子も乳ガンや卵巣ガンと係わっていることが
わかっている遺伝子で、これらが変異遺伝子となっていると、乳ガンや卵巣ガンが
できる確率が高くなるわけです。

ここからがポイントです。
確かに変異遺伝子を持っていることが検査で確認されたとしても必ずその病気が
起こります、というわけではなく、あくまでも確率があがるだけということです。

たとえば肺ガンになる確率が高くなる遺伝子を持っていたとします。
しかし実際にガンが起こるかどうかは環境の影響もありますし、他の変異遺伝子が
あるかないかでも確率は変わってくるのです。

たとえばある変異遺伝子を持っていると肺ガンになる確率が持っていない人に
比較して5倍高くなるとします。このような人がタバコを吸っていれば、
この確率はさらに十数倍高まるわけですが、少なくとも禁煙すれば、変異遺伝子を
持っていないけれど喫煙している人よりはかなり肺ガンになる確率を下げられることに
なります。

つまりガン遺伝子があればそのガンを予防する環境に身を置けばガンになる確率を
下げることが出来るわけです。

こういったことを理解せずに、血液検査と同じ感覚で遺伝子検査を受けてしまうと
頭を抱えることになるので、検査を受けた後しっかりと説明やカウンセリングが
必要になるということになります。

もしすでに遺伝子検査を受けたのに、あまり細かい説明は受けられなかったので
よくわからないとか、ちょっと心配だとかいう方がいらっしゃれば、
ご連絡をいただければ有料となりますがカウンセリングを実施致します。

私のクリニックでは栄養代謝に関連した遺伝子を検査して、
その変異遺伝子が持っている病気のリスクを下げる予防的ダイエットプログラムを
提供しています。ご興味のある方はご連絡ください。

2014/01/17 10:28:11 | コメント (0) | トラックバック (0)

遺伝子を調べることがなぜダイエットに有効なのでしょうか


最近テレビや雑誌でも取り上げられたせいか、遺伝子ダイエットとか
DNAダイエットが話題になっています。

では遺伝子検査の結果がなぜダイエットに使えるのでしょうか。
アーテイジ虎ノ門クリニックで行っている遺伝子検査を例にとって説明します。

クリニックで検査対象となる遺伝子は、主に栄養代謝に関係する遺伝子群です。
たとえば通常では糖分の代謝が円滑に行われていますが、この糖分の代謝に係わる
いくつかの酵素やタンパク質が、遺伝子変異によってフルに働けていないとすると、
当然糖分の代謝全体に影響が出てきます。

もちろん糖分の代謝がストップしてしまうと死んでしまいますから、
そんな重要な部分の酵素を作る遺伝子に変異が起こると、流産となったり、
乳幼児のうちに重症な症状が出たりします。

ところがそれほど中心的な役割の酵素やタンパク質でない場合は、
うまく別の迂回経路ができあがって糖分の代謝を回しています。

しかし本来の姿ではないので、どうしても代謝に無理が生じます。
このような酵素をいくつか持っていて、しかも糖分(炭水化物も含む)を
たくさん食べる人では糖分が余って、その分脂肪となって体にたまりやすくなるわけです。
(糖分としては体にためておけないので、脂肪としてため込みます。)

これは別の例えを使いますと、メインストリートが道路工事で通れないとします。
そうすると大抵は迂回路に誘導されますが、メインストリートに比べると狭い道なので、
そんなところに大量の車が流れ込むと渋滞になってしまいますね。

糖分代謝のメインストリートが体質的に道路工事状態であると、
迂回路である代謝の道が働いて事なきを得ているのですが、やはりそこには無理があって、
ちょっと食べ過ぎたりするとすぐに代謝が渋滞して、この糖分代謝の渋滞により、
脂肪がたまってしまうという事が起こるのです。

そこで遺伝子検査ではどのような酵素やタンパク質の働きが悪いのかを遺伝子からみて、
栄養代謝のどこに弱点があるのかを探ります。上記のように糖分の代謝に問題がある場合は、
余分な糖分を摂らないようにすれば、代謝に無理がかからなくなります。
その場合にはたとえば低糖質のダイエットにすることで、
より効果的にダイエットできる可能性があるわけです。

もちろんダイエットですから、今までの生活習慣から脱却しないと成功はおぼつかないので、
単にダイエットの方向性を知るだけではうまくいきません。
体質に合ったダイエット法がみつかったら、それをしっかり、持続的に実行できる方法を
身につけないとだめです。

アーテイジ虎ノ門クリニックではその面からもサポートしています。
脳の「くせ」に注目したダイエット法、Q脳ダイエットで、その脳の「くせ」を直し、
長続きする自分の体に合ったダイエット法を身につけようというコーチングです。

ぜひお試しください。

2012/08/03 10:33:21 | コメント (0) | トラックバック (0)

肥満遺伝子は東北人魂?!


メタボヘルプ.comや、アーテイジ虎ノ門クリニックのホームページに掲載しましたので、
すでにご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、GQ(Gentlemen's Quality)という男性誌の5月号に
アーテイジクリニックの遺伝子外来を取り上げていただきました。
GQ JAPAN 5月号

わかりにくい遺伝子の話をきれいにまとめていただいて、記者の方には感謝です。
また写真まででてしまって何となく恥ずかしいような、うれしいような。
特にGQという雑誌はダンディな男のための雑誌というイメージでしたので、そんな雑誌の中に載せて
いただいたという事の方が、クリニックが紹介された以上にうれしい気がして、意外にミーハーな自分に
気がついたわけです。

取材の中で肥満遺伝子、すなわち倹約遺伝子の話をしていて、ふと思いました。
ちょうど東北地方の大震災から1年という事で、あのときの場面をテレビで繰り返し放映していて、
災害直後の人たちの姿はまさにこの遺伝子の賜という思いでみてしまいました。

いまでこそ東北地方でも安定的に農業が営まれていますが、かつては飢饉が頻繁に起こっていた
ことでしょう。でも飢饉だからとその土地を捨てて、他の土地に移ってもその土地を耕し、作物が
取れるまでには多くの年月が必要となります。
それよりは凶作の年を最低限の食物でじっと我慢すれば、そのうちによくなることがわかっていたので、
じっとその土地にしがみついたのです。そしてエネルギーを無駄遣いしないように基礎代謝を落として、
少しの食物でも効率よく体を動かせる代謝を発達させたことでしょう。

震災直後のじっと堪え忍ぶ人たちの姿は、過去、何度も訪れたであろう飢饉のときの姿であり、
まさにこの倹約遺伝子のルーツなのです。
おそらく同時に空腹感を押さえ込む遺伝子も発達させたことでしょう。

海外のニュースであんな大惨事の中、皆冷静に行動し、暴動も起こらなかったことが賞賛されましたが、
これができるのも倹約遺伝子のおかげのような気がします。もしこれが人類のふるさと、アフリカの国で
起こったら、ああはならなかったでしょう。
多くの住民が国を捨て、他の地に移住したか、暴動で食物の奪い合いが起こったことでしょう。
勘違いしないでいただきたいのは、私は民族的優位性を主張しているわけでは決してありません。
環境が遺伝子を変化させ、また文化をも作り出したといいたいのです。

私はグローバル製薬企業で働いて、社内の人事異動なども見てきましたが、アメリカやヨーロッパの
人たちは本当にダイナミックに平気で異動します。
イタリアのディレクターをやっていた人が南アメリカに異動したり、あるいは英国からオーストラリアに
異動したりで、アメリカとヨーロッパ間で異動するなど新宿から池袋にオフィスが変わるくらいの気軽さ
です(ちょっとオーバーですが)。日本では東京から埼玉に異動するくらいでも大騒ぎです。

この大移動をものともしないのは、ルーツが狩猟民族だからです。
獲物がなくなれば獲物を求めて他の土地に移動することはいとわない人たちなのです。
したがって空腹になったらそれを我慢することなく要求を満たすために、あちこちと移動する。
だからもしアフリカの地で大災害が起こったら、大昔であったらその土地を捨てて大移動したのでしょうが、
今は国境もあるのでそんなわけにもいかず、かといって空腹を我慢する術も知らなければもう
暴動しかないでしょう。

それもこれもすべて遺伝子のなせるワザのような気がしてきました。

2012/03/30 10:25:41 | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年を占う手相の話

2012年、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。
sinnen.jpg

私は年末からお正月にかけてテレビづけのお休みでしたが、皆様は如何でしたでしょうか。
お正月の番組は、ほとんどがバラエティやお笑い番組でしたが、出演する芸人さんたちが提供する
笑いにもいろいろな種類がありますね。
絶妙な話し方で出演者から笑えるネタを引き出す、見ている人たちに共感を与えて自然な笑いを
誘うすばらしい芸人さんがいる一方、下品なネタや単におかしな格好をして失笑をかうだけの芸人さんと、
人を喜ばせることにも才能の違いをつくづく思い知らされました。

さて今回の話題は、芸人さんやタレントさんの才能と手相が関係あるのではないかという話です。
お正月番組で最近大人気の芦田愛菜ちゃんという子役の手相を占っていた番組がありました。
私自身、手相に詳しいわけではありませんが、彼女の手相は感情線と知能線が一直線になった、
いわゆる手相用語で「ますかけ」という手相だそうです。
このますかけ線を持っている人は強い運勢の持ち主だとか、天下取りの才能があるとか手相の上では
いわれているようです。
tesou.jpg

手相で見る掌のしわは、指の関節が曲がりやすいようにできる皮膚の溝にすぎませんので、
これでなぜ人生が占えるのかと疑問に思ったことはありませんか?

実は手のしわにも遺伝が関係しているようで、その人の持って生まれた才能などとの関係が
経験的知識として積み重なったのが手相なのかも知れません。さて芦田愛菜ちゃんの手相で
特徴的なこのますかけ線ですが、チンパンジーなどの類人猿の手は皆これです。
そのためSimian crease(猿手皺)といわれています(この言葉は差別的な語感があるので、
あまり用いられなくなっています)。
またこの手相はダウン症やその関連の染色体異常の人にも特徴的に見られます。
ダウン症のお子さんは知能の発育遅延や特徴的な顔つきがありますが、いつもにこやかで人を
楽しくさせる性質があります。そのためelfin smile(妖精の微笑)とも呼ばれています。

もちろん芦田愛菜ちゃんはダウン症ではありませんし、このますかけ線という手相を持っているから
ダウン症を心配するというものではありませんので、誤解の無いようにお願いします。
ただ興味深いことにこのますかけ線は遺伝的要素が強いらしく、この手相を持っている人は
両親のどちらかが同じ手相である確率が高いようです。また同じ番組中で芸能人にはこの手相の人が
多いようで、たとえば明石家さんまさんもこの手相であると紹介されていました。

手相と才能との関係や、ダウン症だとなぜこのますかけ線になるのか、などまだわかっていないこと
だらけですが、色々と総合してみると、この手相を持っている人は人を楽しくさせたり、人を和ませる
すてきな微笑をもっていたりといった才能があるのかもしれませんね。

ということで2012年が笑いの絶えない幸せな年になりますように願っております。

2012/01/05 11:57:11 | コメント (0) | トラックバック (0)

クスリの幻想 -その3 薬の効果と副作用-


しばらくご無沙汰していましたが、薬の幻想についてまた続きを書きます。

過去の記事はコチラ↓

◆クスリの幻想 -その1 薬のタネ-
http://www.metabo-help.com/drblog/0004/1_7.html

◆クスリの幻想 -その2 大きな誤解-
http://www.metabo-help.com/drblog/0004/2_7.html

さて前回まで薬に効果があるとはどういうことかについて、薬を開発するときに欠かせない臨床試験について、
その仕組みやその意義について書いてきました。
その中で、同じ薬を同じ量飲んでも効く人もいれば効かない人もいるというお話をしました。
今回はこれがどんな理由によるのかという話をしたいと思います。

薬も化学物質のもの、抗体やホルモンなどタンパク質のもの等いろいろな種類がありますので、
最も一般的な小さい分子の化学物質の薬を例に取り上げたいと思います。
この種類の薬は大抵錠剤とかカプセルの形を取っています。飲みますと胃の中で溶けてばらばらになり、
小腸の入り口に近いところで吸収されます。このときにどの程度吸収されるかが一番重要なところで、
如何に培養細胞や実験ネズミで効果があっても、この吸収が悪ければ薬にはなりません。
しかもこの吸収は個人によって大きな差があります。これを「吸収のばらつき」といいます。

製薬会社では研究開発段階で、一番ばらつきの少ない化学物質を見つけて、それを薬にするわけですが、
それでも実際にはけっこうなばらつきがあります。当然薬は体の中に入ってはじめて作用するわけですから、
吸収されないことには薬としての効果が発揮できないことになります。

とりあえずその第一関門を突破して、吸収されたとしましょう。
今度はその吸収された化学成分が目的とする組織に届くかどうかが第二の関門になります。
大抵の薬の有効成分は分量としてはミリグラムの単位です。これが吸収されると体を巡っている血液に
溶け込んで薄まりますので、目的とする臓器に届く頃にはミリグラムの1000分の1の単位である、
マイクログラムの単位の濃さ、あるいはさらにその1000分の1であるピコグラム単位になります。
考えようによってはこんなわずかな量で作用が起こるわけですから、恐ろしいとも言えるでしょう。

こんなふうに吸収され、目的とする臓器や組織に薬が到達すると、そこで効果を発揮します。
もちろん他の臓器や組織にもほとんど同じくらいの量の薬が到達するわけですが、そこでは余分な効果を
発揮して欲しくないわけです。つまりそれが副作用につながるからです。
そこで薬にいろいろな仕掛けを施して、目的とする臓器や組織で働きやすくすることが薬として重要な
部分となります。

薬は目的とする臓器や組織で作用を及ぼした後、いつまでも体の中に残っていたのでは、
他の臓器や組織で悪さをする可能性も出てくるため、一定時間体の中にとどまったら徐々に外に出す
仕組みが必要となります。
このように体の中には体外から入ってきた化学物質を排除する仕組みがあり、これを解毒といいますが、
最近はやりの言葉で言えば「デトックス」ということになります。
デトックスは主に肝臓と腎臓で行われていて、薬は肝臓で無害な形に変えられて腎臓から尿として
出されたり、腸から便として出されたりします。
この肝臓で外から入ってきた化学物質を無害な形に変える酵素がチトクローム酵素といって、
「CYP」とう略号で呼ばれます。これにはいくつかの型があり、CYP2D6、CYP2C9といった具合に
書き表されます。薬の種類によって使われるチトクローム酵素の型が違います。

さて、この「CYP」という酵素も細胞が持っている遺伝子から読みとられて肝臓で作られるわけですが、
遺伝子のシリーズで書いてきましたように、この酵素の遺伝子にも変異があるのです。
この酵素の変異遺伝子を持っている人は、特定の薬の解毒作用が弱くなりますから、その薬を、
変異遺伝子を持っていない人と同じ量飲むとなかなか代謝されない、ということになりますので、
その薬の作用が強く、長く残ってしまいます。薬の量は平均的な人に効果があり、かつ副作用が
出にくい量が通常使われる量として決められ、この量で国から承認をもらうわけです。
従ってこのような遺伝子変異のある人まで考慮されていないわけで、そんな人では薬が効きすぎて、
副作用が出てしまうという事が起こりうるわけです。

アーテイジ虎ノ門クリニックでは生活習慣病関連の遺伝子検査を行っておりますが、
この薬を解毒する酵素の遺伝子検査も行っています。
ほんのわずかな量で効果を現す薬ですから、体内での濃度がちょっと濃くなっただけでも副作用が起こる
可能性があります。もちろん副作用が出たら薬の種類を変えたり、量を減らしたりすればよいわけですが、
いくつかの薬を一緒に飲んでいる人ではどの薬が原因かわからない場合が多いのです。
また強い副作用の場合には後遺障害が残る場合もありますので、前もって調節の必要がある薬が
わかっていれば無駄な危険にさらされなくてもすむわけです。

私は長年薬の開発に携わってきて、効果が高くて副作用の無い薬は夢ではありますが、
それは望めないのが現実だということが分かってきました。
であるなら、副作用が避けられ、より効果を高くする方法があるなら、それを是非取り入れて、どうしても薬が
必要な患者さんが安心して治療を受けていただけるようになって欲しいと願っています。

薬の代謝に係わる遺伝子の検査もまだ完全とは言いがたいですが、少しでも薬の危険性を減らすことに
役立つ有力な方法のひとつだと思っています。
薬を毎日使っておられる方で、心配のある方は是非一度ご相談ください。

【遺伝子検査・肥満外来の専門医院】アーテイジ虎ノ門クリニック
http://www.artage-clinic.jp/

2011/09/26 18:38:06 | コメント (0) | トラックバック (0)

肥満遺伝子=肥るという誤解

ここ何ヶ月かメタボヘルプ.comの遺伝子シリーズで、その働きについて解説しています。
なるべくわかりやすくと努力はしているのですが、実際の働きそのものがなかなか難解な部分もあり、
一部わかりにくいところがある点はお詫びいたします。
もし、ここはどうなの?というところがありましたら、遠慮なくメールなり、お電話なりでご連絡いただければ
と思います。

さてそんな中で肥満遺伝子については皆さん関心がおありのようで、時折ご質問いただくのは
「肥満遺伝子がないといわれたけれど、現実肥っているのはどういうわけだ」、というものです。
これは遺伝子解説シリーズの中で何度か書きましたが、今、一般的に肥満遺伝子と呼ばれている
変異遺伝子は、正確には倹約遺伝子というのがその役割を表す言葉としては正確です。
この遺伝子変異は人の体を肥らせる遺伝子ではありません。

昨今はやりの「省エネ」をもたらしてくれる遺伝子なのです。
つまりこの遺伝子変異が働くことによって、体は省エネモードになるわけです。
せっかく体自体が省エネモードなのに、過剰なエネルギー摂取をしてしまえば、省エネでない人たちより
余計にエネルギーが余ってしまって、その余った分が脂肪として蓄積されるということです。

ご安心いただきたいのは、この、いわゆる「肥満遺伝子」を持っている人たちは決してやせにくいと
いうものではありません。
たとえばMetabolismという医学雑誌に2008年に発表された臨床試験の論文があります。
これは肥満遺伝子の一つであるアドレナリンβ3受容体遺伝子変異のある人と変異のない人で
ダイエットによる減量効果を比較したところ、差がなかったという結果が出されています。

要は必要な食事の量は遺伝的にある程度決まっていて、それを超えて食べれば肥るし、少なければ
やせるというもので、肥満遺伝子があり肥ってしまった人でも上手に食事量を減らすことができれば、
それなりに減量の結果は出せるということです。逆に肥満遺伝子がなくても、食べ過ぎていれば
肥ってしまうのは当然のことです。

それでは遺伝子を解析してもしなくてもやることはいっしょではないか、といわれそうですが、
遺伝子変異の有無がわかれば、どこまで食事を減らすかという面では参考になるといえるでしょう。
ただし、たとえば倹約遺伝子ひとつをとっても、いくつもの倹約遺伝子があるわけで、正直なところ、
その中でひとつの遺伝子変異のありなしをはかってみてもあまり意味がないということはおわかりいただける
かと思います。
肥満や生活習慣病では多くの遺伝子がお互いに影響し合う中で、病気が出たり出なかったりする
わけですから、様々な関連する遺伝子をはかって、その変異のあるなしで、総合的に判断する必要が
あるのです。
このように、遺伝子検査は未来の健康サポートやダイエットに大変有意義な手段といえます。
興味を持っていただいた方は、ぜひこのような点をご理解された上で、遺伝子検査を受けて
いただきたいと思います。

ドクター内山の「遺伝子」ふしぎ発見! 
http://www.metabo-help.com/0030.html

アーテイジ虎ノ門クリニック
http://www.artage-clinic.jp/

2011/08/26 16:32:06 | コメント (0) | トラックバック (0)

高血圧遺伝子について


たとえばみなさんが電車に乗り遅れる!と駅の階段を走り上がったとします。
途中まではなんということもなく上がれるでしょうが、だんだん足が重くなり、心臓バクバク、
息はゼイゼイという感じではないでしょうか。
階段を上ると足の筋肉を使いますから、まず筋肉で酸素とエネルギーが必要になります。
臓器がもっと血液が欲しい、となった場合には血管が開いて大量の血液を送り込む準備をします。
当然心臓の方もそれに合わせて反応します。

心臓が多くの血液を送りだそうとするときに、2つの方法があります。
ひとつは1回の拍動で送り出す血液の量を増やす。もう一つは拍動の回数も増やす。
急に血液が必要になりますと、大抵はこの2つが起こります。また酸素もたくさん必要なので、肺に
ついても同じ事が起こって、肺へ流れ込む血液の量が増え、また呼吸の回数が増えます。
その結果、心臓バクバク、息はゼイゼイ、という状態になるのです。このときに筋肉の血管で何が
起こっているかといいますと、交感神経が働いて血管を広げようとしますし、逆に皮膚や内臓への血管は
細くして血液を筋肉に集中させます。

人間の体はこのようにいつ何時、急な動きが必要になるかも知れない、ということで常に一定の血圧を保つ
仕組みができています。冒頭のお話しで、心臓の送り出す血液の量と、血管の伸び縮みで血圧が調節
されていることがおわかりいただけたかと思います。

急に走って階段を上るといった急激な動きに対しては、血圧を変動させて流れる血液の量を調節するのは、
主に自律神経系ですが、日常の血圧を調節しているのは、細胞から作られるホルモンの様な働きをする
タンパク質が活躍します。

たとえば血管の中から血管を広げる物質が作られます。
これが一酸化窒素(NO)です。YES、NOのNOではありません。窒素のNと酸素のOです。
このNOを作り出すのが、eNOSという酵素です。NOSというのは一酸化窒素(Nitric Oxide: NO)を
作り出す酵素(合成酵素といいますが、synthetaseのSです)で、頭についている小文字のeは血管内
皮細胞という部位を表します。

NOのような単純な物質が実に見事に血管の動きを支配している、ということが発見されたのはごく
最近のことで、これを発見したムラド博士、ファーチゴット博士、イグナロ博士の3名に1998年の
ノーベル医学・生理学賞が授与されています。

さてこのeNOSという酵素を作る設計図である遺伝子に変異(一部のDNAの並び方が普通の人と異なる
遺伝子のことを変異遺伝子といいます)があると、このeNOSの働きが悪くなり、必要なときにNOが
必要な量を作り出せない、結果として血管が広がったり、細くなったりという動きが鈍くなるということです。
日本人の2割程度に変異を持っている人がいます。

またeNOS以外にもアンジオテンシンという血圧を上げるタンパク質がありますが、このタンパク質の
大元であるアンジオテンシノーゲンを作る遺伝子も、日本人には変異が多くみられます。このアンジオ
テンシノーゲンをつくる遺伝子に変異があると、塩分に敏感で、少量の塩分で血圧が上がります。
この変異を持っている祖先は人類の創生期、アフリカ内陸部で塩があまり手に入らない地区で生き残った
人類であろうと言われています。多くの日本人はこの変異を持っているので、塩分の多い食事をしていると
血圧が高くなる人が多いというのはその辺の理由のようです。
こういった人たちは反対に塩分を制限すれば血圧が下がりやすく、塩分制限が高血圧のよい治療になると
いうことです。

このアンジオテンシノーゲンは腎臓で作られるレニンという酵素で、一部が切られてアンジオテンシンI に
なります。さらにアンジオテンシン変換酵素によりアンジオテンシンII となり、これが細胞の受容体という
受け皿に入り込みますと、血管が収縮して、血圧が上がる仕組みになっています。

またブラジキニンという物質も血管を縮めて血圧を上げる作用があります。

血圧の調節にはこのように
自律神経系やホルモン様タンパク質の多くが関わっており、大変複雑です。ですからこの辺のタンパク質や
それを変化させる酵素を作る遺伝子に変異がありますと、高血圧になりやすいということになるわけです。
健康診断で血圧が高いといわれた人は、遺伝子検査でどんなタンパク質の異常が関係しているのか
調べておくことが、高血圧の治療に大変役に立つということになります。

2011/06/15 11:38:04 | コメント (0) | トラックバック (0)

遺伝子検査で何がわかるの?


みなさんは、「遺伝子検査」というものをご存じでしょうか?
最近は雑誌やニュース特集でも扱われることがありますので、
耳にされた方もいらっしゃるかもしれませんが、では、「遺伝子検査」を受ければ、
どんなことが分かるのかご存じですか?

今回は「遺伝子検査」についてお話していきたいと思います。

遺伝子検査というと、『将来なりうる病気がすべてわかってしまう』と思われている人が
多いのではないかと思います。
確かにたったひとつの遺伝子異常が重大な病気を起こすという場合はあります。
ただしこれは非常に例外的なことです。

大抵は複数の遺伝子異常が重なって、さらに特定の生活習慣が重なって
初めて病気が起こってきます。
特に「生活習慣病」といわれている病気は遺伝子の関与が30~50%程度といわれています。

生活習慣病では肥満にならないように、動脈硬化にならないように、
食事に気をつけ、運動を積極的に行うようにしましょう、という
指導が行われています。

ところが個人によって遺伝子が異なりますから、食事の取り方次第で
肥満になり易い人もいれば、食事にはあまり気をつけなくても肥満になりにくい人もいます。
また運動も、一生懸命やっても全然痩せない人もいれば、ちょっと運動しただけで、
すっと体重が減ってくる人もいます。
これらはかなりの部分、遺伝子が作り出す体のタンパク質、特に栄養代謝に係わる
酵素の違いから来るのです。
従って遺伝子を見ればどんなやり方がもっとも効果的であるかがわかるということです。

脂肪代謝に関係する酵素の遺伝子をみれば食事を減らせばよいのか、
運動をもっとやればよいのか、どちらが最も効果的なのかが分かってくるのです。
それがわからなければせっせと両方やらざるを得ないところ、
遺伝子を見ることによってどちらかを手抜きすることができるかもしれません。

先日、私自身も遺伝子検査を受けてみました。
分析をしたところ、いわゆる「倹約遺伝子」がありませんでした。
「倹約遺伝子」というのはこの遺伝子をもっていると基礎代謝が低く、
普通に食べていてもカロリーオーバーになってしまうという遺伝子です。
私の場合、倹約遺伝子がなく、基礎代謝は普通にあるので、
ちょっと余分に食べても肥りにくいわけです。

また運動すると脂肪代謝が更新する遺伝子ももっていることがわかりました。
つまり食べ過ぎた後はしっかり運動すれば体重維持はできるということです。
ところが一方で動脈硬化や高血圧に係わる遺伝子が多くあって、
脂肪やコレステロールに気をつけていないと動脈硬化が早く進むようなのです。

考えてみますと私の父と叔父は心筋梗塞で亡くなっており、また祖父、祖母も
どちらも長生きでしたが脳卒中で亡くなっています。
どうも放置しておくとそっちの病気で死ぬ運命にあるようです。これは冗談ですが。

従って長生きするためには筋肉量を増やして基礎代謝を上げるよりも、
有酸素運動で脂肪燃焼と、食事ではコレステロールの管理をしていくことが
重要になるという健康維持戦略ができあがるわけです。
現状の血液検査値を見ますと気をつけてはいるのですが、若干コレステロールが高めです。

体型的には身長170cmで体重63.5Kg、BMI22とほぼ標準です。
現状の検査データだけからすれば標準的なので、特に注意することはありませんよ、
ということになりますが、遺伝子的には『コレステロールを少しでも下げましょう』、
という指導が必要になるわけです。

生活習慣に係わる遺伝子には様々なものがあり、それらを総合的に見て初めて
健康維持戦略ができあがります。2,3の遺伝子を検査してサプリメントを販売している
会社もあるようですが、きちんと多くの関連する遺伝子を総合的に評価して、
その結果を本人がしっかりカウンセリングしてもらって初めて、生活習慣の改善やサプリメントが
有効活用出来るということを忘れないでください。

特定の遺伝子があるなしで一喜一憂するのではなく、それは単なる道しるべに過ぎない・・・
ということもしっかり認識しましょう。
その上で現状の状態と併せて健康のために何をやっていくべきかを考えることが大切です。

私のクリニック(アーテイジ虎ノ門クリニック)では、
生活習慣病関連の遺伝子検査はカウンセリングや健康リスク評価も含めて実施しています。
時に、価格が高いと思われることもありますが、遺伝子検査は通常の血液検査と異なり、
結果は一生変わることはありません。

つまり病気になる前に、早めに自分の健康上の弱点を知って、対策を立てておくことは
極めて重要なことだと思って受診される方がいますが、メタボヘルプ.comユーザーはいかがでしょうか。
興味ある方はお問い合わせ下さい。

2010/12/24 10:12:46 | コメント (0) | トラックバック (0)

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プロフィール

医師、医学博士。メタボリックシンドロームに精通し、大手製薬会社にメタボ体策健康栄養指導を提供。

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