2008年度から健康保険組合に義務付けられる、メタボリック対策の健診も担当する「ドクター内山」が、長年の臨床や製薬企業の医療コンサルタントとしての経験を元に健康維持のための様々な情報を気軽に書き綴るブログ

買い占め行動を控えるために

未曽有の震災を前にして、今われわれにできること・・・。
皆さんと一緒に考えていければ と思います。

そこで、今回は物資が届かない被災地のためにもぜひ買い占め衝動を抑えていただきたく、
「買い占めに走る心理状態」の解説を試みたいと思います。
少しでも買占め行動を抑え、皆様の冷静な判断ができるお助けとなれば幸いです。

大変な災害になってしまった今回の東北北関東大地震ですが、
ほとんど実害はなかった東京でも多くのコンビニやスーパーから食料品や日用品が
棚からなくなるという事態になっています。
確かに物流自体、ガソリン不足で多少滞ってはいるようですが、それでも通常の消費量であれば
十分まかなえる量が供給されていると報道されています。
それでも陳列棚からものがなくなるのは、普段の2倍、3倍の買い物をする客が多いからです。

実はかくいう私も車を運転しながら、まだガソリンタンクには半分以上残っているのに、
ガソリンスタンドの前の長蛇の車の列をみた途端、その列に並びたい衝動に駆られました。
まさに買い占めの心理反応を実感したというわけです。

どうしてヒトは、買占めという行動を起こすのでしょうか?
いくつかの考えられる理由をご紹介いたします。

◆買占めする理由(1):ストレス反応

まず今回のような大災害の映像を繰り返し見せられ、また自分自身経験したことのない地震を
何度も体感していれば、当然強い不安がおこります。
そういった不安によりストレス反応が起こってきます。
人は精神的な安定を常に求める習性がありますので、不安を感じるとその不安を何かの行動で
消し去って安定を求めようとします。

◆買占めする理由(2):精神的安定性を求める

また人や類人猿は「ミラーニューロン」が発達しています。
「ミラーニューロン」というのは脳の特殊な部位にあり、人の行動をみて、その行動に含まれている
心理的背景を読み取ること、同じ行動をまねするような感情をおこさせる働きがあります。
簡単な例では向かい合わせにいた見ず知らずの人が、挨拶するように手を挙げると
つられて手を挙げてしまうことです。
実は自分の後ろにいた人に挨拶したことがわかってばつの悪い思いをした経験がある方も
多いかと思いますが、そんなときに働くのがこのミラーニューロンです(ほんとうはもっと複雑ですが、
簡単なたとえ話です)。
すなわち不安という精神的不安定さから逃げたいという願望と、
いつもより多めに買い物をしている人たちの姿をみて、その行動から相手の感情を予測し、
同じような行動を取ることにより、精神的安定性を求めるようになってしまう、
それが急激に広がってしまったのが、買い占め騒動における行動心理と考えられます。

今われわれにできることを1つづつ取り組んでいきましょう。

◆対策:心理反応が起こす衝動を少し我慢しましょう

情報がない中では致し方ないかとは思いますが、テレビでもインターネットでも、
情報は十分得られるわけですから、受け取った情報を冷静に捉え、後から振り返れば
「なぜこんなに買い込んでしまったのか」、と不思議に思うこともあるかと思いますので、
この現象は不安という心理反応が起こす衝動だということを認識していただき、
ほんの少しその衝動を我慢すれば、冷静な判断ができるようになると思います。

物資が届かない被災地のためにもぜひ買い占め衝動を抑えていきましょう。

2011/03/22 11:52:07 | コメント (0) | トラックバック (0)

未来ストレス

日常生活でストレスを感じることは、誰しもあることですね。

最近ちょっと興味があって人類の進化について調べていますが、
このストレスはどの様にして起こるのでしょうか。

二足歩行を始めた証拠が残っている一番古い原人は、『アウストラロピテクス』という原人です。
この原人の脳はまだ小さかったのですが、その後出現した現代人と同じ
ホモ属の『ホモハビリス』、それに続く『ホモエレクトス』という原人に至っては、
脳の容積が900ccと現代人の脳の容積1350ccにかなり近づいてきます。

ちなみに現代人はホモサピエンスで、同じホモ属ではありますが、
系統樹として見ると、ホモエレクトスとは枝分かれしています。

要するに彼らは現代人の直接の先祖ではなく、いわば親戚の先祖みたいな関係です。

さてこのホモエレクトスの段階で脳は急速に巨大化して、
その結果もたらされたものは、認知力の向上でした。

この原人の時代は氷河期と間氷河期が繰り返し、環境がめまぐるしく変わる時代でした。
そんな中で、環境変化をうまく捉えてそれに適合することができたのは、
このすぐれた認知力のおかげといわれています。

その後(あるいは同時だったかもしれません)、言語が発達して社会性ができてくるのですが、
おそらくこの認知力向上と平行して起こったのが、抽象概念の獲得と記憶力の発達です。

記憶力が発達すると、時間を意識するようになります。
そして抽象概念の発達と相まって未来を考えることができるようになってしまったのです。
「なってしまった」と表現したのは、これはまさにパンドラの箱だったからです。
未来を考えるというすばらしい認知力を身につけたために、
今度はそれによるストレスの嵐の中に身を置くことになってしまいました。

みなさんが感じるストレスを考えてみてください。
全部とは言いませんが、たいていは未来のことではないでしょうか。

こんな事をしていたら将来どうなってしまうのかとか、この仕事がうまくいかなかったら
会社をクビになってしまうとか、そんなことを考え始めるとストレスで夜眠れなくなる・・・
ということではありませんか。

もちろんイヌや猫も記憶力はありますし、未来を感じることも多少できるかもしれませんが、
それはごく短期間の、せいぜい2,3日先くらいまででしょう。
人間のように、年老いて死ぬ間際のところまではとても考えられないと思います。

では、このストレスから逃れるためには・・・・

それは、時間を意識しないようにすることが重要です。

旅行に行くとストレスが解消されるのは良く経験しますね。
特にリゾート地ではその傾向が強いようです。
それはなぜかというと昨日、今日、明日が同じように流れていくので、時間が起因となるストレスから解放されるのです。
よく「時間がゆっくり流れる」という表現をすると思いますが、それがまさにこのことです。

そこでこのストレスを効果的に解消する方法です。
まず旅先では帰る日のことは、そのときが来るまで考えないようにする。
あたかも時間の流れのよどみにいるような感覚で、未来を考えることを止める。
そうすることでストレスから一挙に解放されます。

ぜひ一度お試しください。

2009/09/28 11:32:10 | コメント (0) | トラックバック (0)

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プロフィール

医師、医学博士。メタボリックシンドロームに精通し、大手製薬会社にメタボ体策健康栄養指導を提供。

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