2008年度から健康保険組合に義務付けられる、メタボリック対策の健診も担当する「ドクター内山」が、長年の臨床や製薬企業の医療コンサルタントとしての経験を元に健康維持のための様々な情報を気軽に書き綴るブログ

あらためてQ脳ダイエット

3月号のボディプラスという健康誌にQ脳ダイエットを取り上げていただきました。

記事をまとめていただいたレポーターの方はたいへん熱心に著書「Q脳ダイエット」を読み込んで
いただいたようで、私もたじたじになるような質問を数多くいただき、何とか回答のつじつまを
合わせてできあがったのがあの記事です。
とてもすてきなイラストでまとめていただきレポーターの方にはたいへん感謝しております。
そんなこともあって、改めてQ脳ダイエットについて整理してみました。今回はそんなQ脳ダイエットの
本質について書きたいと思います。

最近は健康情報が数多く出回っています。
またテレビでも健康バラエティ番組がたいへん多く放映されるようになっています。
これでみなさんがより健康になってもらえるならそんなうれしいことはありません。
しかし、なかなかテレビで言うようには実行できませんよね?それはなぜなんでしょうか。

以前NHKの番組で昨年の大震災のときに人々がどの様に行動したかについて分析をした番組が
ありました。津波が来ると情報を受け取っていながら避難しなかった人々の心理はどうなっていたのか、
を読み解くという特集でしたが、自分だけは大丈夫、という心理、他の人も逃げていないので大丈夫、
という心理、そのような心理状態が働いて人々の避難を遅らせてしまったと番組では語っていました。

健康についてもまったく同じ事が言えます。血圧が高いですね、血糖値が高いですね、コレステロール
も高いです、このままでは脳卒中か心筋梗塞を起こしますよ、と健康診断でいわれたにもかかわらず、
何もしようとしない人が多くいらっしゃいます。ここまで深刻でなくても、少しお腹周りが気になって
きたのでダイエットを始めてみたが、三日も続かなかった、なんていう方も多いのでは?
これには自分だけは大丈夫という心理が働いているでしょうし、治療をはじめると食事制限を
いわれるからいやだ、という人もいますし、三日も続かないとやっぱり自分は意志が弱かった、と
あきらめる方など色々です。

でもちょっと考えてみてください。
もしあなたのご両親や最愛の人がこんな状況であれば、早く何とかして欲しいと口うるさく注意を
促すと思います。自分以外の人には言えてもなぜ自分自身では行動できないのでしょうか。

そこに注目したのがQ脳ダイエットです。手の届くところにある食べ物は何でも食べてしまう、
好きな食べ物は止められない、出された食べ物は全部平らげないと気が済まない、お腹がいっぱい!と
わかっているのにさらにデザートを食べないと気が済まない等々、誰でも思い当たる節があるのでは
ないでしょうか。

食行動の基本は、
1.脳が視野に入ったものが食べ物であると認識する
2.お腹が空いているかどうかチェックする
3.食べ物を消化する胃や腸に指令を出して準備させる
4.食物に手を伸ばして口に入れろと指令を出す、
こんな一連の脳のシステムに則って行われます。

この脳の回路を私はエネルギー摂取をひたすら追い求めるという事からQuest脳(Q脳)と名付けました。

自分の脳の中にこのQ脳が存在することを意識することで、それを如何にコントロールするかと
考えるもう一人の自分がいれば、自分自身の行動をしっかりと客観的にみることができ、
よりよい判断ができるのではないかと考えました。そしてこのよりよい判断をするもう一つの脳を
Self脳(S脳)と名付けました。

ですからQ脳ダイエットというのは、三日坊主で何をやっても続かない、といったなかなか思うように
ならない自分自身を客観的に見ることによって、目標に向かっての行動を強めていくことが
このダイエット法の基本的な考え方です。食事の取り方、食材の選び方、運動の推奨と行動自体は
一般的にいわれていることと大きな違いはありません(もちろん組み合わせ方にQ脳ダイエットなりの
工夫はありますが)。ただそういったダイエットに向けた行動が三日坊主にならずに続けられる方法と
理解していただければ幸いです。

2012/02/02 17:02:18 | コメント (0) | トラックバック (0)

恐ろしや甘いもの


最近メタボヘルプの相談コーナーに甘い物好きさんからの相談が続いています。
実は甘いもの(お砂糖系)は麻薬に匹敵する依存性を誘導するという少し怖いお話をしましょう。

「依存性」という言葉は医学用語ですが、普通に使われる「依存」とほぼ同じ意味で、
つい頼ってしまうという事です。
つまりタバコや麻薬を一端始めたら止められなくなることをいいますね。中毒という言葉もありますが、
これは別の意味で使われることも多いので、今回は依存性、依存症でいきましょう。

あるものに対して依存性ができてしまったときの特徴としては、
1. 乱用:たくさん使ってしまうこと
2. 禁断:無くなると通常で無い状態となる(イライラする、気分が悪くなる等)
3. 渇望:使わないではいられなくなる
4. 増感、鋭敏化:敏感になる、ちょっとしたきっかけでそればかり考えてしまう

改めていわれてみると、甘い物好きの方、思い当たる節があるのでは?

甘いもの、たとえばチョコレートやケーキなどのコマーシャルや写真を見ると食べたくなる(増感、鋭敏化)、
食べ始めると次々食べてしまう、止められなくなる(乱用)、また一端止めてもまた食べたくなる(渇望)。
しばらく食べないでいるとイライラする(禁断)。といった具合です。

甘いものを食べたとき脳の中で起こっていることは、ドーパミンなど脳が気持ちよいと感じたときにでる、
ご褒美物質がでて、その行動を習慣づける部位が活性化されます。
このような一連の脳内の反応は、麻薬を使ったときと同じであることが実験的に確認されています。

甘いものの最小単位であるグルコースは脳の唯一のエネルギー源ですから、当然グルコースを欲しくなって
当然なのですが、人工的な甘味は限度を超えて脳を刺激してしまいます。
通常はお腹がいっぱいになると満腹中枢が働いて、それ以上は食欲が抑えられて食べることを
止めるのですが、人工的な過度の甘味はこの満腹中枢を麻痺させてしまいます。

さんざんフルコースの料理をこれ以上無理というほど食べても、デザートをみてしまうと満腹中枢が
リセットされてしまうのです。依存性ができていない人は、メニューを見せられたくらいでは、満腹中枢は
リセットされず、お腹がいっぱいだからもういいや、となるのですが、依存性ができている人は
甘味に対して感覚が鋭くなっていますから、メニューを見ただけでその味を想像し、満腹中枢がリセット・・・
もう止めることはできません。

グルコースを大量にとっても何も悪いことがおこらなければよいのですが、必要以上に摂るとまず肝臓に
グリコーゲンとして貯まります。それでも処理しきれないほど大量に余ってきますと、実は脂肪に変えられて脂肪組織に貯められるのです。
これを繰り返すと、もう立派な肥満です。

依存性のできてしまった人は、これから脱却しない限り夜中にお腹が空いて眠れなくなり、甘いものを探して、
手当たり次第食べてしまうという事も起こります。こうなってしまうと自分でダイエットしようと思っても、とても無理で、病気に近いため専門家の手助けが
必要になります。

この依存性をリセットするためには、強い甘味になれた体や脳を再教育する必要があります。
食事の組み立てを変え、特に甘味の少ないものを食べるといったカウンセリングが必要となりますが、
個人によって有効なやり方が異なります。

いろいろな手段で脳をリセットしていくわけですが、ご心配な方は一度ご相談ください。

アーテイジ虎ノ門クリニック
http://www.artage-clinic.jp/

2011/07/13 15:46:59 | コメント (0) | トラックバック (0)

「骨粗鬆症」の怖いところとは?

さて今日は「骨粗鬆症」について、皆さんに大切なメッセージをお送りしたいと思います。

「骨粗鬆症」というとどんなイメージをお持ちですか?

一般的には、高齢者の方の病気というイメージが強いようなのですが、
実は20歳代、30歳代で気をつけてこそ、はじめてこの病気の予防ができる ということは
案外知られていないことなので、ぜひ皆さまに知っていただきたいと思います。

まず、骨粗鬆についてご存じがない方もいらっしゃるので、その仕組みを簡単にご説明したいと思います。

骨というのは常に動いていて、骨の「形成」と「吸収」のバランスがうまく取れてはじめて
一定の骨量を保てるのです。
図にありますように、
蛇口のついたバケツに水を注いでいるところを想像してみてください。

「骨粗鬆症」について

水は一定の割合で外に出て行きます。
外に出て行くのは骨が吸収された分で、注がれた水が形成された骨です。
このバケツのモデルで出入りのバランスがうまく取れればバケツの中は一定の水量(すなわち骨量)を保てます。
ところが蛇口が開かすぎてしまうとバケツにたまっている水はどんどん減っていきます。
この状態が骨粗鬆症です。

特に女性では更年期を過ぎると女性ホルモンが減ってそれに合わせて急激に骨の量も減ってきます。
注がれる水の量が一定でも、出ていく水の量が多いため、バケツにたまった水が急に減っていく状態です。
さらに高齢になりますと、注がれる水の量、すなわち骨形成も少なくなって、
出て行く水の量、すなわち骨吸収も少なくなって、
ある意味縮小均衡の状態になりますが、骨の量は減る一方です。

さて、それでは骨粗鬆症のどういった点が問題なのでしょうか?

骨の量が減っても痛くもかゆくもないので全然気がつきません。
ところがある程度以上に減ってしまうと骨折を起こすようになります。

背骨は体重を支えきれずにつぶれてきますし、ちょっと転んだくらいで大腿(ふともも)の
付け根の骨が折れたりします。

つまり骨量が減っても骨折を起こさない程度の減り具合でしたら何も問題ないのですが、
一定以上に減ってくると骨折を起こすようになり、これが一番の問題なのです。

20歳代、30歳代でたくさん骨を貯め込んでいた人は、
更年期を過ぎて骨が減ってもまだ骨折を起こすほどには減っていないということになりますし、
この年代のころに骨の量が少なかった人は早いうちに骨の量が骨折を起こすまで
減ってしまうということになります。

つまり年をとって骨粗鬆症で泣かないためには20歳代、30歳代で
骨をたくさん貯め込んでおく必要があるということです。

ところが昨今のダイエットブームで、若い世代の骨量が減ってきています。

これは「ただ単に食事量を減らすだけ」、あるいは「食べない」という間違ったダイエットを
やってしまったことが原因の1つなのです。
外見的なスマートさだけを追いかけると、体にとっては負担が大きく、
骨粗鬆症を招くといった事態になってしまいます。

アーテイジでは「骨を減らさないで肥満を解消するダイエット法」のセミナーを行っています。
年をとって車いすや寝たきりの生活を送らないためにも、お気軽にご参加いただき、
賢いダイエット法を身につけて、健やかな生活をお楽しみいただきたいと思います。


2010/02/18 10:48:35 | コメント (0) | トラックバック (0)

セロトニンダイエット??その3(最終回)

脳は一番重要な臓器であるため、
血液中から厳選したものしか取り込まれない仕組みになっていて、
これを血液脳関門といいます。トリプトファンは血液脳関門を通らないわけではないのですが、
他のアミノ酸があるとそちらが優先されます。
トリプトファンは炭水化物を食べてインスリンが分泌され、
ブドウ糖が吸収されるとそれに併せて様々なアミノ酸が脳内に取り込まれますが、
それらが取り込まれるといっしょにトリプトファンも取り込まれます。
つまりトリプトファンは肉、魚など多くの食物に含まれていますが、
脳には取り込まれにくく、その分セロトニンが不足しやすいと言えます。
従って、単に食事量を減らすだけのダイエットは、
脳機能にも影響を及ぼしかねない
ダイエットとなるので、
セロトニンの働きを理解した上で賢いダイエットをする必要があるのです。

セロトニンでメタボに関連した話題をひとつ。
欧米ではすでに承認になっている
抗肥満の薬剤でシブトラミン(製品名メリディア)というものがあります。
この薬剤はシナプスでのセロトニンとノルアドレナリン
両方の量を増やす薬剤(SNRI:セロトニン/ノルアドレナリン再取込阻害剤と呼ばれています)で、
もともとはパキシルなどと同様にうつ病に対する治療薬として臨床試験が行われましたが、
うつ病にはあまり効果がなく、その代わり食欲を抑える作用があることがわかり、
食欲抑制による肥満治療薬として開発されました。
日本ではエーザイとアボットの共同開発で現在承認を得るための申請中で、
もうしばらくすると医療現場に提供されると思います。
このように同じような受容体にくっつく薬剤でも作用が異なることが多いのです。
これはあくまでも治療薬であり、お医者さんの処方箋が必要となります。
個人輸入などで使っておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、
セロトニンは多くの病態に係わっており、
その分多岐にわたる副作用(たとえば血圧上昇、頭痛、錯乱など)が出ます。
あまり安易に、やせ薬として使わないようにお願いします。

2008/01/17 10:59:09 | コメント (0) | トラックバック (0)

セロトニンダイエット??その2

脳の中で感情や精神に関係する中枢組織には、
このセロトニンによって働きがコントロールされている神経が多く分布しています。
セロトニン作動神経ではシナプスでのセロトニン量が神経の働きを左右します
ところが、多くなりすぎると神経が興奮しっぱなしになるので、
これまた困ったことになるため、シナプスでは絶妙にセロトニンなどの
化学伝達物質をコントロールする仕組みをもっています
(セロトニン再取込作用:一端神経終末から放出されたセロトニンを
神経内に再びくみ上げてしまう)。
うつ病などではこのセロトニン作動神経の働きが鈍っていることがわかってきて、
このシナプスでのセロトニンが減らないようにする薬剤が、
うつ病の治療薬として開発されてきました(パキシル、ルボックス、
ゾロフトなどSSRI:セロトニン再取込阻害剤と呼ばれる)。
またセロトニンは消化管にも多く存在しており、
特に消化管の動きを支配している神経にある
セロトニン受容体を邪魔する薬剤(ゾフランなど)は、
抗ガン剤による吐き気を抑える治療に使われています。
脳血管ではセロトニンが減ることによって調節がうまくできなくなり、
血管が収縮したり拡張したりして頭痛が起こります。これを偏頭痛といいますが、
脳血管に分布するセロトニン神経の受容体にくっついて、
セロトニン類似の作用を起こす薬剤(イミグラン、マクサルトなど)が
治療薬として用いられています。
このようにセロトニンはひとつでも、脳や消化管に分布する受容体のタイプに違いがあるために、
その作用が違ってくるのです。

また神経細胞のシナプスという特別な部位でのごくわずかな
濃度が調節されることにより、その神経の働きが活発になったり、
抑えられたりするわけです。
よく、最近の人たちはストレスなどによりセロトニンが少なくなっているため
キレやすいだとか、セロトニンが少なくなっているためうつ病が多くなっているとか、
あるいはセロトニン合成のもとであるトリプトファンを多く含む食物を摂ると神経が落ち着く、
といった説明をしている本やインターネットサイトがありますが、
今までの解説でおわかりのように、事はそれほど単純ではなく、
もっと複雑なシステムが働いていますし、未知の部分もまだ多いので
今後の研究が期待されます。
ただしそうはいっても、食事での栄養素の取り方で、
脳内伝達物質が増加して脳の機能が影響を受けるという
臨床データもあります(たとえば飽和脂肪酸を多く摂っている人では認知障害の確率が高まる、
とかGABA、グリシンなどのアミノ酸にはリラックス効果や興奮作用がある、など)。
セロトニン作動神経の働きには神経細胞内のセロトニン量も係わってくるため、
脳内のセロトニンを増やすことは重要です。食物やサプリメントの中には、
うつ状態に効果のあるものがありますが(セントジョーンズワートなど)、
これは薬剤と同じようにセロトニン受容体に働く物質や神経細胞での
セロトニンを調節する物質が含まれていて、
脳内セロトニンを増やすと考えられています。
ただし、セロトニンはトリプトファンから作られるからといって、
単純にトリプトファンを多く含む食材やサプリメントを摂れば良いということではありません。
(次回完結)

2008/01/16 10:52:30 | コメント (0) | トラックバック (0)

セロトニンダイエット??(その1)

最近セロトニンダイエットというのがはやっているようですが、
セロトニンについてあまり理解がないままに解説しているサイトもあるため、
今回セロトニンとは?ということで取り上げてみました。
セロトニンは化学名を5-ヒドロキシトリプタミンといい、
5-HTと略します。医学書などには5-HTと書かれることが多いので、
覚えておくと便利です。ヒトを含む動植物に一般的に含まれる化学物質で、
体内に取り込まれたトリプトファンからつくられます。
脳などの中枢神経系や胃とか腸などの消化管系に多く存在し、
またその受容体も多く分布しています。
受容体というのはセロトニンがくっついて作用を起こす、臓器の側にある組織のことです。
この受容体は、細かい違いも入れて現在見つかっているものは11のタイプがあります。
異なるタイプの受容体からは異なる作用が生まれます。
神経細胞にはパソコンなどの回路のように電気信号としてその信号を伝える部分と、
神経細胞同士が突起を出してつながるシナプスと呼ばれる、
セロトニンなどの化学物質を使って信号を伝える部分とから成り立っています。
セロトニンが信号伝達物質である神経をセロトニン作動神経、
ノルアドレナリンという化学物質を使っているものを、
ノルアドレナリン作動神経などと呼んでいます。
(次回に続く)

2008/01/15 18:03:33 | コメント (0) | トラックバック (0)

脂肪は美味しい?

体が欲しているもの、あるいは好きなものを食べると、脳内のご褒美物質、
エンドルフィン
などが放出されます。
これによって人は一定の食物を食べたがることになります。
それがその人にとっての好物ということになるのでしょう。
おそらく脂肪は体内に吸収されると脳内物質を出させる働きがあるのだろうと推測されます。
 
たとえばマグロのトロ、しもふり牛肉、フォアグラなど、
脂肪が豊かに入った食材はたいていの人が好きだと思います。
江戸時代以前の日本では獣肉はあまり食されなかったはずです。
ところが明治期以降牛肉などが一般的に食べられるようになり、
肉食のおいしさが知られるようになったわけです。
また第二次大戦後、欧米流の食事スタイルと内容が一般化してくると、
食事中の脂肪量が上がり、1回の食事あたりのカロリー量が一挙に増加します。
 1gあたり炭水化物は4Kcalの熱量を発生しますが、
脂肪は9Kcalと倍以上の熱量を発生します。
脂肪量の多い現代の食事はそれだけエネルギー量が高いのです。

和食と洋食のカロリー量の違いを見てみると、


  1. 和食の場合・・・ごはん(茶碗1杯 約200kcal)・ アジの塩焼き(150kcal)・豆腐の野菜あんかけ(110kcal)・青菜のからしあえ(15kcal)・味噌汁(野菜・きのこ)(20kcal) 合計 495kcal

  2. 洋食の場合・・・ごはん(同上 約200kcal)・ハンバーグ・付け合せつき(530kcal) ・ミックスサラダ・ドレッシング小さじ2程度付き(70kcal)・コンソメスープ(60kcal) 合計 860kcal

 典型的な洋食と和食とではこれだけの違いがあるのです。
カロリーだけから見ると洋食が圧倒的に多いのですが、
食事内容はカロリーだけでは片付かないのです。
炭水化物(糖)、タンパク、ビタミンなどとのバランスもあり、かなり複雑です。

よく低カロリー食が健康食であるかのように宣伝していることがありますが、
一概に低カロリーだから良いともいえないのが、
事を複雑にしている原因でもあります。

2007/11/17 15:13:08 | コメント (0) | トラックバック (0)

ダイエット法いろいろ-その4・低カロリーダイエット編

万人に効果があるのは低カロリーダイエット。
食事のカロリーと量をひたすら減らして、いどみます。「いどみます」と書いたのはそれほどの覚悟がいるからです。飢餓に打ち勝つ強靱な意志、衰える体力にむち打ちながら運動に励みます。それは、そうちょうど減量中のボクサーのようです。

これはちょっとオーバーな例えですが、前にも書きましたように、飢餓感が強くなるとからだは緊急事態モードになり、入ってきた栄養を何でも脂肪に置き換えようという代謝に変わってきます。その結果、よほど食事内容、タンパク質、炭水化物、脂肪、ビタミン、微量元素などのバランスを考えて減らさないとただ単に体力が落ちただけで体重は減らない、脂肪は増えたという結果になりかねません。

体重が一時的に落ちたとしても食事をちょっと戻すとすぐにダイエットを始める前、あるいはそれ以上にリバウンドしてしまいます。

このダイエット法はそれこそ管理栄養士についてもらって、細かく食事内容を指導してもらいながら行わないと成功しない方法です。やり方として簡単そうで、ダイエット本にもいろいろ載っているので見よう見まねでやると、多くの場合失敗を繰り返してかえって太ってしまうか、健康を害する結果となります。

いろいろなダイエット法がありそれぞれ個人にあった方法を選ぶことが重要ですが、一番良くないのがいったんすごいやせて、でもやめたとたん一挙にリバウンド、というものを繰り返すことです。これによって体内環境はめちゃくちゃになりますし、ホルモンバランスも崩れてしまいます

よくダイエット法の宣伝で1ヶ月で5kgやせる、とかありますが、目先の売り文句に惑わされないでぜひ「始める前に長く続けられる方法なのか」、リバウンドに関することも含めて「体の健康を害することがない方法なのか」をよく見極めてから取り組んでください。

2007/11/07 22:58:46 | コメント (0) | トラックバック (0)

ダイエット法いろいろ-その3

 メタボリックシンドロームの成因の項でも書きましたが、この病気には「インスリン」(インシュリン)が非常に大きな役割を果たしています。

すなわち吸収されたブドウ糖を筋肉でうまく使えるようにするのもインスリンなら、脂肪をため込むのもインスリンです。

インスリンが過剰に分泌されるとこの脂肪蓄積の作用が強くなります

たとえば急いで食事を詰め込むと一挙に血糖値が上がり、インスリンが過剰に出ます。あるいは非常に吸収の良い糖分、たとえばブドウ糖そのものを飲んだりしても血糖値は急激に上がり、インスリンが過剰に出ます。

この過剰なインスリンが肥満を悪化させることがわかってきました・・・

早食いの人が概して肥満であるのはこのためです(ギャル曽根は例外です)。

 ここでインスリンの出方をコントロールすることにより肥満対策をしようというアイデアが出てきました。ひとつは「ゆっくり食べよう」という指導、もうひとつは「低インスリンダイエット」、究極はアトキンスダイエットです。

「ゆっくり食べよう」は誰にでもできて、結構効果のあるやり方です。低インスリンダイエットは血糖値が急激に上がることを防いで、インスリンの過剰分泌を抑えてやるという方法です。

血糖値が上がることを防ぐために、家庭でできることは野菜、特に繊維が多くカロリーが少ないキャベツなどの野菜をたくさん食べることで、糖の吸収を遅らせる方法があります。

キャベツダイエットとしてはやりましたが、メタボや糖尿病の人にはかなり有効な手段です。

 さてこの考え方を推し進めて、糖分の供給源である炭水化物を極端に減らしたのがアトキンスダイエットです。

ロバートアトキンス博士が発表したダイエットプログラムで、血糖値を上げる炭水化物を極端に制限して、そのかわりタンパク質、脂質は制限しない食事法です。

タンパク質、脂質を制限しないことから、肉食の多い欧米ではかなりの人気ダイエット法となりました。体重減少は比較的早く効果が出ますが、脂質過剰になることから、栄養バランスはくずれ、1年くらいの長期で見ると体重減少は通常の低カロリーダイエットと同じになったという臨床試験データもあります。食事内容を元に戻すとリバウンドが強いという報告もあるようです。

2007/10/17 11:17:43 | コメント (0) | トラックバック (0)

ダイエット方法いろいろ-その2・マトリックスダイエット編

 おなかがすいた状態、すなわち飢餓感により代謝が変化してダイエットを失敗させる話を書きましたが、これを加速させるのが、太古の昔より備わった、「倹約遺伝子」肥満遺伝子という場合もあります)といわれる遺伝子です。

日本人はこの「倹約遺伝子」を持っている割合が欧米人に比較して高いため、食べ過ぎるとすぐに脂肪の蓄積が起こって太ってしまう人が多いのです。この遺伝子は一つではなく、今では数十種類の遺伝子が特定されていますが、ひとつひとつ働きが異なるため、全部が解明されているわけではありません。

 中でも有名なのは「アドレナリン受容体遺伝子」でこの遺伝子の一部に変化があるタイプの遺伝子(倹約遺伝子)を持っている人はちょっとカロリーオーバーすると太りやすくなります。

このアドレナリン受容体遺伝子はエネルギー代謝に係わる遺伝子で、この遺伝子が倹約型であるとエネルギー代謝が落ちて、基礎代謝が低くなります。すなわち車でいうとアイドリング時のエンジン回転数が非常に低いのと同じです。倹約遺伝子とか、肥満遺伝子にはいろいろなタイプがあります。日本人はそのような遺伝子を持っている割合が欧米人に比較して高いのです。

 ちょっと前に遺伝子タイプ別に体型が決まっていて、体型別に肥満対策を考えましょうという、「マトリックスダイエット」がはやりましたが、相当な数の遺伝子が係わっており、ことはそれほど単純ではありません。

このダイエット法にしても結局は、タイプ別になってはいますが、基本はカロリー制限です。
カロリー制限を遺伝子タイプ別に如何に効率的にやるかということで、かえって複雑になってしまい、わかりにくいという批判も多かったようです。

 ちょっと話が横道にそれてしまいましたが、肥満はこのように多様で複雑です。ですから備わった遺伝子を、ときには働かせないようにしたり、ときにはだましたりすることが、肥満対策には重要となります。

2007/09/25 11:15:55 | コメント (0) | トラックバック (0)

ダイエット法いろいろ-その1

 世の中いろいろなダイエット方法の情報が氾濫しており、その情報の多さに混乱することも多いと思います。ここでそれらを整理してみたいと思います。

 まず一般的なのは「摂取カロリー量が消費カロリー量をうわまらないようにする」、低カロリーダイエット・・・。

この場合、摂取カロリー全体に占める脂質のカロリーが多いのが普通ですので、まず脂質の摂取を控えるということになります。
その上で、さらに炭水化物を減らして、総カロリー量を減らすという「超低カロリーダイエット」。

これらのダイエットは全体のカロリー量を把握できれば比較的簡単に実行できますので、通常病院などの食事指導というとこのタイプのダイエット法になります。

ところがおなかは減るし、食欲の本能に勝つのは禅僧でもない限り困難なことで、たいていは1、2ヶ月で脱落します。それに単に食事量を減らしただけでは栄養的にも偏りが出てきて、極端になると健康問題を引き起こす可能性があります。

 そこで出てきたのが、食事量を減らしてその一部を低カロリーの代替食品でおきかえたダイエット法。

これですと、たとえばお昼ご飯の代わりにこの食品を食べることで、1食分のカロリーをカットできるのと、多少飢餓感を抑えられるというメリットがあります。今世の中で一番出回っているダイエット法はこの方法です。代替食品は低カロリーで飢餓感を少なくできれば何でも良く、たとえばこんにゃくダイエットや寒天ダイエットというのもはやりましたね。

また有名なマイクロダイエットも基本的にはこのタイプです。ただこんにゃくや寒天と違うのは、栄養素も考慮されているということでしょうか。医療機関向けのマイクロダイエットもあり、このタイプのダイエット方法の中では信頼性は高いといえます。

 実は私もこのタイプのダイエット法を試したことがあります。体重は多少減りましたが、1ヶ月程度で挫折しました・・・ひとつの理由はやっていてぜんぜん楽しくないのです。

たとえ1食分とはいえ、他の人が楽しそうに食事をしているのを横目で見ながら、パックに入った飲料を飲む。そのとき気がついたのは食事は単に栄養補給のためだけではないということです。

食事をするという行為自体が大きな意味を持っているということです。
もうひとつはやはり時間がたつと次の食事までにおなかがすいてしまうことです。この飢餓感を覚えるということはダイエットのひとつの落とし穴なのです。

 おなかがすいた状態が長く続きますと、体は緊急事態だと認識します
そうしますとわずかでも入ってきた食糧を無駄にしないように、体はいろいろなホルモンを動員して吸収効率を高めます。

さらに少しでも残っている糖や脂肪があればともかく脂肪組織に溜め込もうとします。
低カロリーダイエットをやって経験された方も多いと思いますが、最初は順調に体重が減っていたのにあるときまったく減らなくなります。それどころか食べる量は増えていないのに体重がむしろ増えてしまう、という現象も起こってきます。このメカニズムがダイエットを行うときに一番気をつけなければいけない落とし穴です。

ということでこの食事を減らす低カロリーダイエットは長続きさせるためには強靭な意志の力と精神力が必要とされ、また一旦中止するとほとんど必ずリバウンドがくることです。

 そうは言ってもカロリーオーバーで痩せるはずもなく、低カロリーダイエットは基本ですから、以上の難点をどう工夫すればよいかということが効果を上げるためのダイエットのポイントとなるのです。このポイントについては次回以降でお話します。

2007/09/17 11:13:09 | コメント (0) | トラックバック (0)

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プロフィール

医師、医学博士。メタボリックシンドロームに精通し、大手製薬会社にメタボ体策健康栄養指導を提供。

著作一覧

雑誌掲載履歴

new2011年8月4日
女性セブン(30号)
「ダイエット大特集 太る人、太らない人の違い」インタビュー出演

TV出演履歴

2010年10月20日
首都圏ネットワーク
「個人に広がる遺伝子検査」インタビュー出演

ラジオ出演履歴

radio_bn.jpg 2011年11月22日(火)
「冬に流行る病気」について
(ベイFM78.0MHz)
radio_bn.jpg 2011年5月17日(火)
食中毒対策講座
(ベイFM78.0MHz)
radio_bn.jpg 2011年3月22日(火)
東日本大震災について
(ベイFM78.0MHz)
radio_bn.jpg 2011年2月1日(火)
空気乾燥対策講座
(ベイFM78.0MHz)
radio_bn.jpg 2010年11月30日(火)
ノロウィルスについて
(ベイFM78.0MHz)
radio_bn.jpg 2010年11月2日(火)
誤解しやすい医学知識について
(ベイFM78.0MHz)
radio_bn.jpg 2010年8月3日(火)
夏にかかる病気について
(ベイFM78.0MHz)
radio_bn.jpg 2010年7月6日(火)
夏バテ対策対策講座
(ベイFM78.0MHz)
radio_bn.jpg 2010年4月27日(火)
五月病対策講座(ベイFM78.0MHz)
radio_bn.jpg 2010年3月23日(火)
花粉症対策講座(ベイFM78.0MHz)
radio_bn.jpg 2009年10月6日(火)
新型インフルエンザ対策講座(ベイFM78.0MHz)
radio_bn.jpg 2009年7月14日(火)
熱中症対策講座(ベイFM78.0MHz)