2008年度から健康保険組合に義務付けられる、メタボリック対策の健診も担当する「ドクター内山」が、長年の臨床や製薬企業の医療コンサルタントとしての経験を元に健康維持のための様々な情報を気軽に書き綴るブログ

セロトニンダイエット??その3(最終回)

脳は一番重要な臓器であるため、
血液中から厳選したものしか取り込まれない仕組みになっていて、
これを血液脳関門といいます。トリプトファンは血液脳関門を通らないわけではないのですが、
他のアミノ酸があるとそちらが優先されます。
トリプトファンは炭水化物を食べてインスリンが分泌され、
ブドウ糖が吸収されるとそれに併せて様々なアミノ酸が脳内に取り込まれますが、
それらが取り込まれるといっしょにトリプトファンも取り込まれます。
つまりトリプトファンは肉、魚など多くの食物に含まれていますが、
脳には取り込まれにくく、その分セロトニンが不足しやすいと言えます。
従って、単に食事量を減らすだけのダイエットは、
脳機能にも影響を及ぼしかねない
ダイエットとなるので、
セロトニンの働きを理解した上で賢いダイエットをする必要があるのです。

セロトニンでメタボに関連した話題をひとつ。
欧米ではすでに承認になっている
抗肥満の薬剤でシブトラミン(製品名メリディア)というものがあります。
この薬剤はシナプスでのセロトニンとノルアドレナリン
両方の量を増やす薬剤(SNRI:セロトニン/ノルアドレナリン再取込阻害剤と呼ばれています)で、
もともとはパキシルなどと同様にうつ病に対する治療薬として臨床試験が行われましたが、
うつ病にはあまり効果がなく、その代わり食欲を抑える作用があることがわかり、
食欲抑制による肥満治療薬として開発されました。
日本ではエーザイとアボットの共同開発で現在承認を得るための申請中で、
もうしばらくすると医療現場に提供されると思います。
このように同じような受容体にくっつく薬剤でも作用が異なることが多いのです。
これはあくまでも治療薬であり、お医者さんの処方箋が必要となります。
個人輸入などで使っておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、
セロトニンは多くの病態に係わっており、
その分多岐にわたる副作用(たとえば血圧上昇、頭痛、錯乱など)が出ます。
あまり安易に、やせ薬として使わないようにお願いします。

投稿者 : 2008年01月17日 10:59

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL
http://www.metabo-help.com/cms/mt-tb.cgi/26

コメント

コメントを送ってください

名前:
メールアドレス:
URL:
保存しますか?
コメント: (書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)
フォントサイズ変更エリアここまで

プロフィール

医師、医学博士。メタボリックシンドロームに精通し、大手製薬会社にメタボ体策健康栄養指導を提供。

著作一覧

ラジオ出演履歴

radio_bn.jpg 2010年8月3日(火)
夏にかかる病気について
(ベイFM78.0MHz)
radio_bn.jpg 2010年7月6日(火)
夏バテ対策対策講座
(ベイFM78.0MHz)
radio_bn.jpg 2010年4月27日(火)
五月病対策講座(ベイFM78.0MHz)
radio_bn.jpg 2010年3月23日(火)
花粉症対策講座(ベイFM78.0MHz)
radio_bn.jpg 2009年10月6日(火)
新型インフルエンザ対策講座(ベイFM78.0MHz)
radio_bn.jpg 2009年7月14日(火)
熱中症対策講座(ベイFM78.0MHz)

健康対策講座