2008年度から健康保険組合に義務付けられる、メタボリック対策の健診も担当する「ドクター内山」が、長年の臨床や製薬企業の医療コンサルタントとしての経験を元に健康維持のための様々な情報を気軽に書き綴るブログ

Always三丁目の夕日を観て・・・

Always三丁目の夕日の3作目が劇場公開となりましたね。
その宣伝かも知れませんが、先日テレビで第2作目を放映していました。
その中で鈴木オートの社長(といっても町の修理工場のオッチャンですが)の一家が東京タワーの
展望台に上る場面がありました。
そのとき高所恐怖症であるこの社長が展望台のエレベーターを降りたとき、家族に「おい、そんなに早く
歩くな!傾いて落ちてしまうじゃあねぇか」というセリフがありました。この脚本を書いた人はもしかしたら
自身が高所恐怖症かも知れません。
というのはあり得ないことを想像して不安を増幅していくのは不安発作を持つ人の特徴で、
それをコミカルに良く捉えているからです。

落ち着いてよく考えれば東京タワーの展望台が傾くはずもなく、単なる妄想に過ぎないことはわかる
はずですが、恐怖症のある人はそう考えざるを得ないのです。不安な要素があり得ることもあり得ない
ことも次々に浮かんできて、互いに増幅されしまいには不安でいたたまれない状況に追い込まれるのが
不安発作です。
カウンセリングではなぜ不安なのかを質問してひとつひとつその理由を尋ね、起こりえないことを納得
してもらって不安を解いていきます。

肥満の方もこれに似た現象を起こします。
食べ物と心理状態が強く結びついている人がいて、不安な状態になると食べ物に手が伸びるのです。
特に甘いものが食べたくなります。また逆に空腹になると不安になることもあります。
お腹が空くと眠れなくなるというのもこれに近いものです。ある程度食べて満腹になったり、甘いもので
しっかり血糖値が上がったりすると一段落して不安な状態が解消されます。
おそらくこれは食べるという行為によりそちらに集中するため不安の増幅が途切れたり、血糖値が
上がり脳内の報酬系が働くことによって、不安の増幅が終息したりするからと考えられています。

不安の増幅を断ち切る方法のひとつは何も考えないことです。
不安はあれこれ考えることによって増幅されるため、何も考えない訓練をするのです。
ヨガでよくやる瞑想は何も考えない訓練としてよい方法です。座禅を組んで(普通のあぐらでも
よいですが)、深くゆっくり呼吸して浮かんでくる雑念をひとつひとつ消していきます。

ダイエットを始めた初期は空腹を感じないように食事配分をしても空腹を感じてしまうことがあります。
そんなときにこの瞑想は役に立ちます。これはS脳、Q脳の存在を意識して、客観的に自分自身を
見つめることによってダイエットを行うQ脳ダイエットの強化方法のひとつでもあります。

Always三丁目の夕日の映画が映し出す昭和30年代は、ちょうど私も映画に出てくる子供達と同じ
年代です。確かにそんなに豊かな時代ではなかったように思います。
でもなぜかみんな活気に満ちて幸福だったようにも思います。こんな風にノスタルジーを感じることも
脳と心の健康に役立ちます。
Always三丁目の夕日の映画を観てそんなことを感じたのでした。

2012/01/24 10:09:27 | コメント (0) | トラックバック (0)

Q脳ダイエット裏話

Q脳ダイエット裏話
このたび「Q脳ダイエット:なぜあなたはダイエットに失敗してきたのか?」という本を出版しました。
Q脳ダイエットなんて聞いたことがない、と思われるでしょうが、
それもそのはず、これは私が勝手に付けた名前です。
勝手にといっても荒唐無稽な話ではなく、最新の人類学、栄養学、
行動科学などの知見に基づいた著書です。

常日頃肥満の治療を考えているとき、なぜダイエットは成功しないのか、
一端体重が減っても簡単に元に戻ってしまうリバウンドはなぜ起こるのか、
このメカニズムを疑問に思っていました。
肥満になると生活習慣病になりやすいことはみなさん理解しているはずなのに、
なぜちゃんとしたダイエットが実行できないのか、先日ガン生還者の話をブログに書きましたが、
ガンになった人の話を聞いても、そんな生活をしていたら常識的に考えてもガンになると思うのに
なぜか生活を修正出来ない。でも一端ガンになった後は、
「好きな食べ物を制限されるくらいなら死んだ方がましだ」と言っていたその本人が、
急に禅僧のような生活を始める。これらはみなさん教養の高い人たちで理性的な
判断ができるはずなのに、なぜだろうとたいへん不思議に思っていたのです。

いろいろと調べていくうちに、脳の進化の過程で、
脳の中にひたすらエネルギー摂取を求めるプログラムがあると考えると
うまく説明ができることに気がつきました。
そこでエネルギー摂取をひたすら求める脳という意味で、
Quest脳、すなわちQ脳としました(Questとは追求する、ひたすら追い求めるという意味です)。
またそうはいってもそこにブレーキをかける役割の脳だってあるだろう、
理性的な判断をすることもたまにはあるのだから、ということでQ脳に対抗する自分自身、
自己を認識する脳を想定して、これをSelf脳、
すなわちS脳としました(Selfとは自分自身、自己という意味です)。

人類創生期からの進化とそれに合わせた食の変化を考えるとき、
エポックメイキングなできごとがいくつかあります。
それは森の木の上での生活から草原で二足歩行の生活をするようになったこと、
またそのことによって木の実やフルーツといった主食が肉食に置き換わったことです。
実はこの肉食への転換の時期に脳が巨大化しています。
この進化の過程で作られていったQ脳とS脳が、人類創生期の厳しい時代を乗り越えて、
そのまま現代に同じプログラムのままでいるなら一体どうなるのでしょう。

つまり高カロリーの食事を好きなだけ食べられて、しかも大した運動もしないで
それらの食事が手に入る環境で生活していれば必然的に肥満は避けられない状況になるわけです。
またそんな脳の機能からリバウンドの問題もうまく解決出来ることがわかりました。

最新の人類の進化と脳の発達理論、ダイエットにまつわる栄養学や行動科学など多くの論文、
著作を参考にさせていただきました。ちょっとわかりにくい理論を展開している部分もありますが、
ダイエットの実践だけやりたい人はその部分だけ抜き出して読んでいただいても
実践出来る形になっています。
リバウンドの謎を解くダイエットに関連した科学読み物として、
あるいは健康的に痩せられるダイエットの実用書としてご利用頂ければ幸いです。

只今、メタボヘルプ.comのメルマガ会員の方へ本のプレゼント企画を実施中ですので、
ご興味のある方はアンケートへお答えの上、ご応募ください。
http://www.metabo-help.com/3900.html

Q脳ダイエット本プレゼント企画

2010/06/07 10:05:42 | コメント (0) | トラックバック (0)

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プロフィール

医師、医学博士。メタボリックシンドロームに精通し、大手製薬会社にメタボ体策健康栄養指導を提供。

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「卵子凍結保存」について
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今年1年を健康に過ごすコツ
(ベイFM78.0MHz)

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