20年、30年後の健康を・・・医学博士 内山明好管理栄養士 鶴田真子によるアンチエイジング・ダイエット・メタボ対策を掲載した健康情報サイトメタボヘルプ.com。

特定健康診査・特定保健指導

2008年(平成20年)から始まった特定健康診査・特定保健指導ですが、
あまり華々しい成果は出ていないようです。
とはいっても多くの健康バラエティが放映され、国民の健康意識は高まり、
メタボリックシンドローム、略してメタボという言葉は認知度がずいぶん上がりました。

メタボヘルプ.comサイトを始めたのがちょうど特定健康診査制度が始まる前の年、2007年です。
それからいろいろな記事を掲載してきましたが、健康情報は新しい臨床試験や
疫学試験のデータが出ますと、大きく変わることがあります。

最近大きく扱われ方が変わったのはコレステロールではないでしょうか。
かつてはテレビ番組や雑誌の特集などでコレステロールはさも悪い脂質の代表のようにいわれ、
多くの人たちもそれを信じてきました。
LDLコレステロールは悪玉コレステロールと呼ばれて、コレステロールゼロの食品が
数多く出回っています。
コレステロールについて近年多くの臨床疫学試験が実施され、コレステロールについても
だいぶ様子が変わってきました。たとえば血液検査でコレステロール値の高い人は卵を
食べない方が良い、が否定されたことなどは典型的な例です。

血液中のコレステロールは消化吸収された食物中の脂質全般を基にして肝臓で作られます。
この血液中のコレステロールと食物中のコレステロールは同じコレステロールと名前が
付いているので混乱したのがそもそもの始まり。あたかも食物中に含まれるコレステロールが
そのまま吸収されて血液中のコレステロールになるような図式を多くの人は
お持ちなのではないかと思います。

実は食物中のコレステロールが血液中のコレステロール値に与える影響はごくわずかです。
コレステロール値の高い人は脂質全体の摂り方を考えないとコレステロール値は
下げられないのです。もちろん専門家の間では以前からそのように考えられていたのですが、
いくつかの大規模臨床試験で裏付けられることになりました。

最近、アメリカの栄養摂取基準でかつて記載されていたコレステロールの摂取基準は
なくなりましたし、日本も同様です。ですから、わざわざコレステロールゼロの高価な油を
料理に使わなくても良いわけで、それより料理には普通の油でよいので油の量を減らすことが
重要ということです。

またLDLコレステロールは動脈硬化を引き起こす原因物質のように考えられてきましたが、
これにも疑問符がついています。コレステロールは細胞骨格を作るなど組織の修復に係わっています。
動脈硬化部分にLDLコレステロールが多く見つかったので、悪玉と呼ばれるようになったのですが、
実は血管組織の修復のために使われているのではないかと考えられるようになっています。
もちろん高すぎるのはよくない、というのは今も変わりはありませんが。

このように栄養学というのは常に変化しておりますので、本サイトもその時々でアップデートされた
最新情報をお届けできるよう努力して参ります。

ドクター内山の 特定健診 検査表の見方

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特定健康診査・特定保健指導

メタボの正体ーその1

メタボリックシンドローム(メタボ)は糖尿病、高血圧、動脈硬化がいっしょに進行する病気です。

これまで別の病気と考えられていた病気がひとつの原因で起こってくることがわかってきました。

その共通原因が肥満です。

人類はサルから分かれて進化してきましたが、その進化の歴史の中では飢えとの戦いでした。
進化を自然淘汰説の立場でいうなら、飢えに強い人だけが生き残ってきたということでしょう。

太古の昔では冷蔵庫はありませんので、食物は取れたその日で食べてしまったわけですが、その食物からくるエネルギーを効率よく体内に蓄えておくことが重要であったわけです。

そこで発達してきたのが、「脂肪」という組織です。そんなすばらしい組織が、なぜそんな病気を引き起こす原因となってしまうのか、「メタボの正体シリーズ」ではその仕組みを解説します。

メタボの正体ーその1

メタボの正体ーその2

前回はメタボリックシンドロームの原因が肥満であり、それは脂肪という内臓組織がかかわっているというお話をしました。今回はその脂肪組織がどんな役割を果たしているのかについてお話します。

人間のエネルギーの源はグルコース(ブドウ糖)という糖分で、これを燃やして筋肉を動かしたり、消化管を動かしたりしていますが、体内にはグリコーゲンという形で蓄えられます。このグルコースの出し入れをコントロールしているのがインスリンというホルモンです。このホルモンについては後ほど説明します。
グリコーゲンは多くは貯蔵できず、運動すると30分ほどでなくなってしまう量しかためておけません。そこでもっと効率よい貯蔵エネルギーである脂肪という形でためておけるようにと発達してきたのが、脂肪組織です。現在のように食物を自由にとれるようになり、また食物をとるのに、野山を走り回る必要はなく、せいぜいスーパーマーケットの中を歩き回る程度でよくなったことで、エネルギー過剰状態が作り出されてしまいました。このような時代に合わせて体内の代謝システムも変化してくれれば良いのですが、遺伝子は簡単には変わってくれません。あいかわらず少しでもあまっているエネルギーがあるとせっせと脂肪組織にためこんでいるのです。もっとも今の異常気象がさらに進んで、食物が今のように取れなくなってくると、この代謝システムに感謝する日が来るかもしれませんが。
次回は貯蔵組織である脂肪組織がなぜ悪さをするようになるのかについてお話します。

メタボの正体ーその2

メタボの正体ーその3

脂肪が脂肪細胞に過剰に貯蔵されてくると蓄えることを制限するようにと脂肪細胞はいろいろなホルモン様物質を出すようになります。

これらの物質をアディポサイトカインといいます。
アディポサイトカインには良い作用をするものと悪い作用をするものがあることがわかっています。あまり脂肪がたまっていない段階ではよいアディポサイトカインがでていますが、過剰に脂肪がたまり、ここに酸化ストレスなどが加わると、とたんに悪いサイトカインが出始めます。

人間の体はグルコースという糖分を燃やして動いているというお話をしましたが、このグルコースが主に使われるところが脳であったり筋肉であったりするわけです。
インスリンは筋肉や内臓でのグルコースの使用量を調節することによって、血液中のグルコースの量を調節しています。食物をたくさん食べて、運動しないでいると筋肉でのグルコースの取り込みにインスリンがたくさん必要となってきます。つまりインスリンが多量に出ても余分なグルコースが処理しきれなくってしまうわけです。これがインスリン抵抗性という状態です。

先にお話した悪いサイトカインはこのインスリン抵抗性をますます悪くしてしまう作用があります。こうなると血液中のグルコース量も多くなり、「血糖値が高いですね」と健診でいわれる状況になります。
次回はグルコースを調節するインスリンがどのように脂肪と係わっているのかについてお話しします。

メタボの正体ーその3

メタボの正体ーその4

さてインスリンは「グルコース」という糖分の調節を行いますが、同時に「中性脂肪(トリグリセリド)」という脂肪細胞に蓄積する成分の合成にも係わっています。

インスリン抵抗性が出て、インスリンが過剰に分泌されるようになると、血液中の脂肪酸とグルコースを使っての中性脂肪の合成もそれに合わせて増えてきます。こうなるとますます脂肪細胞への脂肪蓄積が増えてきて、悪玉サイトカインがますます分泌されるという、メタボの悪魔サイクルにはまりこむことになります。

血液の中にグルコースが増えると何がいけないのでしょうか?

タンパク質をグルコースとともに長い間おいておくと糖化反応といって糖によりタンパク質の分子に橋が架かった状態となり、タンパク質の本来の柔軟性が失われてしまいます。

当然動脈も硬くなり、動脈硬化が進みます。また動脈の柔軟性が無くなると、血圧が高くなってきます。また手足の毛細血管でも機能が悪くなり、ひどくなると足指の循環が悪くなって壊疽という腐った状態になってしまいます。
当然しびれなどの神経障害も起こってきます。これらの現象は各臓器でも起こってきて、目がだめになる、腎臓がだめになり透析が必要になる、はては心筋梗塞、脳卒中などの重篤な病気にもなるということです。

メタボの正体ーその4

メタボと尿酸値の関係ーその1

<内臓脂肪の蓄積と尿酸値>
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血清尿酸値が7mg/dlを超えるものを高尿酸血症といいます。
実に成人男性の2割が該当するという報告もあります。
また他の生活習慣病を合併していることも多く、
約半数に高コレステロール血症、高中性脂肪血症、
2割程度に血糖値異常、肥満、高血圧が合併しているようです。

メタボの特徴である内臓脂肪の蓄積と尿酸値の上昇も関係が深く、
内臓脂肪がたまってくるとそれに伴い尿酸の産生が増え、
またインスリン抵抗性のために腎臓での尿酸排泄が少なくなります。

単に尿酸値が高いだけでしたら症状はありませんが、
8mg/dl以上の尿酸値を年余にわたって放置しますと、ある時突然、
関節などで尿酸結晶ができて、これが刺激になり非常に痛い関節炎を起こします。
これが痛風です。これを繰り返しますと関節が壊れてきます。
また同じように腎臓でも結晶化して腎・尿路結石を起こしたり、
腎臓で血液を濾過している糸球体という組織が、
この結晶のためにだめなる痛風腎になったりして、腎機能を悪化させます。

メタボと尿酸値の関係ーその1

メタボと尿酸値の関係ーその2

tarako&fish.gif <減量で尿酸値も下がる>

内臓脂肪の蓄積と尿酸値は深い関係にありますので、
減量して内臓脂肪を減らしますと、尿酸値も下がってきます。
肉類を減らして、野菜を増やせば尿酸値はかなり改善します。
これだけでクスリが必要なくなる人もいます。お医者さんに行きますと、
尿酸値を下げるクスリが処方されます。
これには2種類あって、尿酸の産生を抑えるクスリと尿酸の排泄を促すクスリです。
肥満のために尿酸値が上がって来る人は尿酸の産生過剰になっているわけですから、
尿酸の産生を抑えるクスリが適していますが、
腎臓の機能が正常でしたら排泄を促すクスリでも十分尿酸値は下がります。

ただ一端飲み始めると、クスリをやめると尿酸値が上がってきますので、
長期間飲み続ける必要があります。
ここはやはり食事と生活習慣の改善で肥満の解消を基本に、
もし下がり方が悪ければ少量のクスリを使う程度にとどめたいものです。
クスリを使う上でひとつ注意せねばならないのは、
尿酸値が高いからといっていきなり大量のクスリで下げようとしないことです。
これをやりますとそれがきっかけで尿酸が結晶化して
痛風発作
を引き起こすことがあります。
少量のクスリで徐々に下げていくのが良いのです。

メタボと尿酸値の関係ーその2

メタボと尿酸値の関係ーその3

noodle&bear.gif <プリン体と痛風>

食物を代謝するときに細胞の核からできる物質がプリン体です。
これがさらに代謝されると尿酸となります。
従ってこのプリン体が多く作られる食物を避けることが尿酸値を下げる上で大切なのです。
肉類、レバー、あじ、いわしの干物、エビ、かつお節などにプリン体は多く含まれます。

よく食品100g中のプリン体量などという表が出ていますが、
こういった数字の利用は要注意です。

といいますのは、たとえば干し椎茸には100g中100mg以上のプリン体が含まれますが、
干し椎茸を100gもとるでしょうか。

また通常の牛肉や豚肉などは100g中25mg~50mg程度ですが、
簡単に100gは食べてしまいます。
単位重量あたりの栄養素量を利用するときにはこんなところに注意が必要です。

痛風の人はなんといっても肉好きが多いのも事実で、
ここはやはり肉類を避けるというのが原則でしょう。

メタボと尿酸値の関係ーその3

血圧から見たメタボリック危険度

レプチンは白色脂肪細胞から分泌されるサイトカインで、
脳にある内分泌系の総司令部である視床下部という部位に働いて、
食欲を抑えたり交感神経を刺激して熱産生を上げたりといった働きをしています。

肥満の人は血中のレプチン濃度が高くなることが知られています。
正常な状態では、たとえばひとつふたつのホルモンやサイトカインが、
上がったり下がったりしてバランスが崩れると、
これを正常に戻そうとするフィードバックシステムが働きますが、
肥満の人ではこのフィードバックシステムそのものが壊れて、
レプチンが分泌され続ける状態になることがあります。
こうなりますとレプチンの交感神経刺激により、血管が収縮して血圧が高くなります。

また肥満者の脂肪組織では血管の緊張を保つための物質である
アンジオテンシノーゲンが多く分泌されるようになり、
これも高血圧の原因となります。また中性脂肪が高くなりますと、
これに由来して血管を緩める反応が障害されます。

このようにメタボリックシンドロームでは、
肥満によってサイトカインの悪循環が起こって高血圧が起こってくるのです。

血圧から見たメタボリック危険度

トランスポーター

前回「受容体」の説明をした時に、私は郵便物の喩えを用いました。
 サイトカイン産生細胞=送り主
 サイトカイン=手紙
 受容体=郵便受け
 受け取り主=遺伝子
さて、そうしてメッセージが届けられる過程で不可欠な、
郵便局や配達員のバイクに当たるのが、
今回のテーマ「トランスポーター」なのです。まさに「運搬人」
トランスポーターは手紙や葉書(体を調節するための信号や指令)だけでなく、
宅配便が大きな荷物も届けるように、
もっと大きなタンパク質とか脂肪なども運搬します。
運搬するものによって特有のトランスポーターがあるのです。
細胞の表面にある膜は、ナトリウムやカルシウムといった
電解質のような小さな分子すら自由には通さないような構造になっています。
この細胞膜を通り抜けて物質の運搬をするのがトランスポーターの役割です。
また受容体にサイトカインがくっつくと、受容体のすぐそばにある物質が変化して、
受容体から離れて核まで運ばれますが、
細胞の中でこういった信号伝達物質を運搬するのもトランスポーターの役割です。

トランスポーター

受容体

ホルモンやサイトカインがくっついて、
信号を細胞に伝えるための組織受容体といわれるものです。
ホルモンやサイトカインが信号や指令というメッセージを伝えるということを
郵便に例えてみます。
送り主(サイトカイン産生細胞)から手紙(サイトカイン)が出されると、
途中の郵便局や配達のバイク(血液や仲介する臓器)に乗って、
最後に各家庭の郵便ポスト(これが標的細胞、臓器)に届きます。
このポストが受容体です。ただしこの受容体は、
玄関や門にかけられて動かない郵便ポストではなく、
ポストに郵便が入ると(サイトカインが受容体にくっつく)、
ポストは家の中に入り込んで(細胞表面から内部に入り込んで)
受け取り主(すなわち細胞の核の中にある遺伝子)までそのメッセージを届けてくれます。
受け取り主(遺伝子)はメッセージを受け取ると、
メッセージに書かれているとおりに冷蔵庫から野菜や肉を取り出して料理をしたり、
掃除や洗濯など家庭内での作業を行ったりします
(細胞レベルでは、受容体から伝達されたメッセージに従って
遺伝子から必要な部分が読み取られてタンパク質が合成されます)。

もう一つ「トランスポーター」という用語について次回書きます。

受容体

ホルモン・サイトカイン

メタボや、代謝関連のサイトや文献に多く登場するいくつもの用語。
要するに何なのか判りにくい、という声をよく聞くものについて解説してゆきましょう。

まずはホルモン・サイトカインです。
ホルモンやサイトカインはどちらもタンパク質でできていて、
体を動かしたり、調節したりする信号や指令を伝える物質です。
ホルモンは特定の臓器から比較的多量に作り出されて、
遠く離れた標的臓器に信号を伝えます。たとえば女性ホルモンは、
脳の下垂体という組織で作られて、お腹の下の方にある卵巣や子宮に作用しますし、
同じく下垂体でできる副腎皮質刺激ホルモンは、
腎臓の上に乗っている副腎という組織に働いて、
副腎皮質ホルモンを出させます。このようにひとつのホルモンが、
決まった臓器に作用して臓器を働かせるだけでなく、
その臓器からまた別のホルモンを出させるという作用もあります。
サイトカインはもう少し規模が小さくて、
そもそもは細胞から作られて近隣の細胞に信号を伝える物質という
(サイトは細胞の意味、カインは活発にする、という意味)定義だったのですが、
最近はかなり離れた細胞や組織に、
幅広く信号を伝えるサイトカインも発見されてきました。
そういう意味では、ホルモンもサイトカインのひとつと言えますので、
このふたつは同じようなものと考えていただいて結構です。

次回は「受容体」という言葉について説明します。

ホルモン・サイトカイン

脂肪細胞について 

体にある脂肪組織には2種類あります。
ひとつは皮下脂肪、内臓脂肪など一般的に見られる白色脂肪組織
もうひとつは首周りや心臓、腎臓、肝臓周囲にある褐色脂肪組織です。
脂肪組織は豊富な膠原繊維で支持されています。
その中には球形の脂肪細胞があり、細胞内には中性脂肪が充満しています。
BMIが20~22くらいの人の脂肪細胞を大きさで分類してみますと、
球状細胞の直径が30μmあたりと80μmあたりに二つのピークができ、
最も多いのが80μm付近です。また一番大きなもので100μmです。
オリジナルの細胞は30μm程度と考えられますから、
BMI数値がこの程度の人でも、かなり脂肪蓄積が進んでいるといえます。

栄養面から見ると脂肪組織は定期預金のようなもので、
必要量以上の栄養が手に入るとそれを脂肪として蓄積しておいて、
食物がしばらく獲れなくても、必要なときになんとかエネルギーが確保できるような
仕組みになっています。
通常エネルギーとして使用するのは脳にしても筋肉にしても糖分ですが、
こちらは普通預金のようなもので、肝臓にグリコーゲンとして蓄えられ、
簡単に出し入れできます。しかしこちらはジョギング程度の運動を30分程度で
使い果たしてしまいます。さらにエネルギーが必要になりますと、
脂肪組織に蓄えられた脂肪を糖分に変換してエネルギーとして使います。
この脂肪を糖分に変換するときには結構エネルギーを使います。
この辺もなかなか引き出しにくい定期預金と似ていますね。

以前は、脂肪組織とはこのように単なる脂肪の貯蔵組織だと考えられていました。
ところが最近脂肪組織を構成する脂肪細胞は、
サイトカインという特定の細胞に働きかける、
ホルモン様の物質を出していることがわかってきました。

すなわち貯蔵組織から内分泌臓器への格上げです。

外見は単なる倉庫だと思われていた建物が、
実はすごいインテリジェントビルだったというようなものです。
脂肪細胞が小さいうちは、
インスリンの働きを助ける善玉サイトカイン、アディポネクチンを出していますが、
だんだん脂肪が蓄積されて脂肪細胞が大きくなり、
大きくなりすぎて炎症を起こしてくると、
今度はインスリンの働きを妨げるような
悪玉サイトカイン(レジスチンやTNFαのような炎症に伴いでてくるサイトカイン)
を出すようになります。
この状態をインスリン抵抗性といって、
インスリンが多量に出ても血糖値が下がりにくくなってきます。
これがメタボの始まりです。
特に内臓にたまる脂肪はこのサイトカインを盛んに分泌することが知られています。

 さて、これは体中どこにでもある白色脂肪細胞の話ですが、
特殊な褐色脂肪細胞というのもあります。これは白色脂肪細胞組織が血管が少なく、
そのため白っぽく見えるのと対照的に、毛細血管が発達していて
血流が豊富なため褐色に見えることがこの名前の由来です。
血流が豊富で、代謝も高く、エネルギー産生を起こしやすい、
すなわち脂肪燃焼しやすい脂肪組織です。
かつてはこの脂肪組織は新生児のうちだけ存在して、
大人になると消えてしまうと思われてきました。
筋肉の少ない新生児では、
この褐色脂肪組織が熱を発生して体温を一定に保つ上で重要な役割を果たしています。
だんだん筋肉が発達してくると、
こちらで熱を産生するため褐色脂肪組織はなくなるのだと考えられてきました。
ところが最近の診断機器の進歩により、
思春期以降でも褐色脂肪組織が残っていることがわかってきました。
ガンの診断で使われるPET(Positron Emission Tomography:陽電子(ポジトロン)
を放出する薬剤を注射すると、代謝の高いガン組織によく取り込まれることを利用した
ガン探索医療機器)の検査において、
診断薬のポジトロン放出ブドウ糖をガン組織以外によく取り込む組織があり、
これを調べたところ褐色脂肪組織であったのです。
ただこの組織がどの程度のことをやっているのか、
確かなことはわかっていません。脂肪燃焼しやすい脂肪組織であるため、
これを増やすとダイエットに良いなどと書いてある本やサイトがありますが、
ほんとうにそうなのかどうかはまだ今後の研究成果に期待というレベルです。
また褐色脂肪組織を増やすためにはこんな食べ物がよいとか、
いろいろ想像たくましく解説する研究者はおりますが、
よくわかっていないのが真実です。
それに、量的にも白色脂肪組織に比べるとごくわずかですので、
やはり普通の脂肪組織を何とかする方法を考えた方が良さそうです。

脂肪細胞について 

あなたも隠れ肥満かも知れません

肥満の指標は一般的にはBody Mass Index(BMI)が使われます。
これは体重÷(身長m)2で計算します。この値が25以上になると肥満となります。

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これ以外に各年齢の標準体重から算出する方法
(子供ではBMIがあまり宛にならないのでこちらが使われます)、
機器による計測で脂肪量、体脂肪率などが補助的に指標として使われています。
ところが、BMIは筋肉量の多い人などでは実体を反映していないこともあり、
現在用いられているメタボリックシンドロームの診断基準にはBMI値が採用されていません。

かわりに簡便な方法として、
腹部の周囲径が入っているのですが(男性85cm以上、女性90cm以上)、
これがいろいろ物議を醸しています。
この腹部周囲径(腹囲)は、多くの方のCT画像による解析により、
皮下脂肪を含めた全身の脂肪量より、内臓脂肪がたまっている人に糖尿病、
心臓病、高血圧などの合併症が出てくる確率が高いことからきています。
すなわちメタボの危険のある肥満はこの内臓脂肪による肥満というわけで、
皮下脂肪ではありません。内臓脂肪はおへその高さでCTの横断面を撮影して、
この断面での脂肪の占める面積を解析し、
これが100㎠を超えると内臓肥満となります。

太っていても内臓脂肪がたまっていなければOKですし、
外見は細く見えても内臓脂肪がたまっていれば肥満となってしまいます。
この外からはわかない内臓肥満が、すなわち隠れ肥満です。
現在、男性の85cmという基準がよいかどうかが議論されております。
これは結構厳しい基準で、40歳以上の男性の半数以上はこれに当てはまってしまいます。

そんなに多くの人を病気として扱って良いのか?ということなのですが、
統計学的に合併症との関連が高いは85cm以上ということなので、
少なくとも日本人男性はそれだけメタボ関係の病気になりやすいといえるのです
(なぜこうなるかは倹約遺伝子の話を読んでください)。

女性では同様の計測と統計を取ると90cm以上という答えが返ってくるのです。
どうもこの辺がしっくり来ないのが議論の元のようです。
なぜ女性で90cmなの?という問いの対する答えは統計学的にそうなってます、
というしかありません。女性では確かに閉経になって女性ホルモンが減ると、
太ってくる人が多いのも事実ですが、
これは皮下脂肪が中心です。内臓脂肪がたまってくるような人では、
すでにお腹周りに皮下脂肪もたまっているため90cmという話になってしまうわけです。

あなたも隠れ肥満かも知れません

サイレントキラー

糖尿病、腎臓病などのようにほとんど末期状態に近くなって
始めて症状が出る病気をサイレントキラーと呼びます。
肥満とメタボから発展する2型糖尿病は、
初期にはこれといって際だった症状はありません。食後の高血糖があって、
ヘモグロビンA1c(血液中の酸素を運ぶ赤血球にあるヘモグロビンに、
グルコースがついて変性したタンパク)これが上昇してきても症状は出ません。
相当空腹時血糖値が上がってくると、血液浸透圧の関係で、
のどの渇きが症状として現れます。
そのころには血管も糖によるタンパク変性のため、
かなり痛んだ状態になってしまっています。このころには血圧も異常になってくるので、
めまい、ふらつき、頭痛などの症状、
末梢毛細血管が痛んできた症状として手足の冷え、しびれ、
足の潰瘍などが出現してきますが、これは相当進行した状態の症状となります。
すなわち血糖値が異常と言われたら、
相当病状が進行してしまった状態だと心得てください。
血糖値に異常があるといわれたが、
症状がないので様子を見ようなどと絶対に考えないでください。

サイレントキラー
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